アジア各国でエンターテインメントコンテンツの“ポスト韓流”をめぐる動きが拡大している。日本でかつてないほどのブームとなっている韓流ドラマの人気は、アジアさらには中近東やアフリカまでに広がっており、エジプトでは、視聴率が70%を越えた作品もあるほど。韓国に続けとばかりに、ドラマなどのエンタメ作品のアジア全域ヒットを狙おうというのだ。

中国で大人気のタイドラマ、ドラマの人気で観光客誘致を狙う

 2011年8月、“ポーン”の愛称で呼ばれる、タイの俳優ナワット・クンラットナラック氏のファンミーティングが中国の上海と北京で開かれた。中国では、彼が出演するドラマ「エアホステス~天使のラブウォーズ~」が人気を集めた。空港ではファンが“出待ち”し、ファンミーティング会場もそれぞれ500人以上が集まる盛況を収めた。

 「エアホステス」は、パイロットとキャビンアテンダントの間で繰り広げられる恋愛ドラマ。と書くと、韓国ドラマのような淡いラブストーリーを思い浮かべるかもしれないが全く異なる。制服を着たキャビンアテンダントが殴りあい、パイロットとキャビンアテンダントが不倫する……。あまりに過激な内容のため、タイでの放送当時には「航空会社のイメージを傷つける」とタイ国際航空労働組合からクレームが入り、放送中止の危機におちいったいわくつきの作品だ。だが、この過激な内容が中国では受けており、出演者のなかでも甘い顔立ちのポーン氏はファンクラブが設立されるまでの人気ぶりだ。

 タイ政府では彼の人気に目をつけ、2011年9月と10月にタイでもポーン氏のファンミーティングを開催。バンコクとパタヤでそれぞれ2回ずつ開催し、中国から各回500名のファンが参加した。

 タイ政府は、映画のプロモーションも取り組んでおり、国際映画祭に積極的に参加している。東京国際映画祭でも、毎年、タイ文化省がブースを設け、タイの映画やドラマをセールスしている。タイ政府観光庁・国際市場担当副総裁のサンスーン・ガオランシー氏は、「ドラマなどのエンタメは、タイのファンを獲得できる有効なツール。韓国のように、エンタメを通じて観光客を獲得したい」と語る。

「エアホステス~天使のラブウォーズ~」は日本でも2009年にDVDが発売されている。販売するエスピーオーは、「中国で人気が出ていることをしらなかった(笑)」とのこと。(C) Exact Co., Ltd[2008]
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中国の空港でファンに囲まれるポーン氏。「エアホステス」では、不倫に走る副パイロット役で、正直あまりいい役ではない
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