クール・ジャパンを世界へ――海外に日本のコンテンツを広げる取り組みが具体的に動き出した。経済産業省が音楽やアニメ、ファッションや食など日本の文化産業を担う中小企業などを支援する「クール・ジャパン戦略推進事業」の第1弾が10月6日、シンガポールで始動したのだ。「ファッション」「コンテンツ」「東北の食」の3つの事業を展開、シンガポールを拠点としてアジアに情報発信してビジネスを軌道に乗せる試み。11月13日までを「クール・ジャパン月間」として、イベントなどを通じて日本のコンテンツの魅力をアピールする。

シンガポールで開催されるクール・ジャパン関連のイベントを紹介するホームページ

 10月7日からシンガポールの繁華街オーチャード通りの百貨店「TANGS」で開催されているのは「Harajuku Street Style in Singapore」。BEAMSやURBAN RESEARCH、coenといった原宿を代表する15ブランドがアンテナショップを開設してテスト販売する試みで、ファッション情報サイトなどを手がけるアパレルウェブが経産省から受託して展開する。TANGSでは10月7日、スタートイベントとしてのファッションショーも開催された。アパレルウェブによれば「現地の期待度は高い」(広報)とのこと。当日はメディア関係者なども含めて延べ1000人程度の来場があったという。

シンガポール・オーチャード通りの百貨店「TANGS」で開催されたファッションショー。ワンフロアに15のブランドがアンテナショップを開設してテスト販売する
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 アンテナショップの開設期間は3カ月間。まず何が売れるのかを検証して、今後のビジネスにつなげるのが狙いだ。アパレルウェブと蝶理、みずほコーポレート銀行は9月、国内アパレル企業の海外進出のサポートをする会社AWCGを設立。10月6日にAWCGは、シンガポールでストリートファッション専門店を展開する77th Street社と業務提携した。今回のテスト販売を経て来年5月にも、シンガポールに新たな店をオープンする見込みだという。

 コンテンツ分野では電通(囲みのインタビューも参照)が日本のコンテンツのアジア進出を支援する事業を開始した。アジアなど海外で展開したい音楽とアニメ・キャラクターなどのコンテンツをそれぞれ10コンテンツずつ公募で選び、現地での露出を支援して現地企業とのビジネスマッチングなどを促進する。

 電通シンガポールとシンガポールのSOZOが主催して11月11日から13日まで開催される「アニメ・フェスティバル・アジア 2011(AFA2011)」で紹介するほか、豊田通商、SOZOと協力して、関連グッズのテスト販売なども試みる。AFA2011ではビジネス商談スペースも設けて、アジアでの販路を模索するという。

 今後オープンする予定のAFAショップでも、関連グッズの販売を続けるなどして現地での露出機会を増やす。AFAショップは、「AKB48 オフィシャルカフェ」や「AKB48 オフィシャルショップ」などがありAKBの公演も開かれている「*SCAPE」に作る計画。こうしたPRを続けて現地の日系企業にアニメ関連グッズを売ってもらったりCMに使ってもらったりできるように育てる。長期的には「現地の企業にコンテンツを利用してもらったり、関連商品を販売してもらったりして、恒常的に収入を得られる仕組みを構築できれば」(電通シンガポールのリージョナル・グループ・アカウント・ディレクターの宮野治彦氏)という。

日本のポップカルチャーを紹介するAFA(11月11日~13日)でコンテンツの露出を図る
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*SCAPEにはAKBの公式ショップ、カフェなどがある。AKB48は、SDN48などとともに今年5月から定期的に公演している。AKBカフェにはメンバーの写真やサインなども展示されており、週末は行列ができるほどだという
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