※この記事は日経エンタテインメント!(9月号)の記事を転載したものです。購入はこちら

 出版最大手の講談社が、アニメや実写の映画製作に本格的に乗り出した。同社はこれまで自社原作の映画化をテレビ局や映画会社に許諾したり、製作委員会方式で出資することはあったが、自社が中心になって製作するのは初めてだ。

 アニメーション映画『劇場版魔法先生ネギま! ANIME FINAL』(8月27日公開)ではキングレコードと共同で製作するとともに、配給宣伝にも協力。実写映画『大鹿村騒動記』(公開中)と『一命』(10月15日公開)では、製作委員会の中心メンバーである幹事会社をセディックインターナショナルと共同で手がける。

 映像事業に力を入れようと、専門部署を立ち上げたのが08年。まずは「オリジナル・アニメーションDVD付き限定版コミックス」(OAD)を始めた。これは、マンガの単行本と独自に製作したアニメDVDをセットにして、コアなファン層に販売するもの。『School Rumble』『さよなら絶望先生』など約50タイトルものコミックスをOAD化し、1セットの中心価格帯が1980~3980円と高額にもかかわらず累計250万セットを売り上げている。実は『ネギま!』はOADとしてこれまで8巻で60万セット以上売っており、その人気から映画化へとつながった。

 OADの成功をきっかけにテレビアニメの製作に乗り出し、今年4~6月に『よんでますよ、アザゼルさん。』を毎日放送やTOKYO MXなどで放送した。「OAD化に向くマンガはいずれ底をつく。ファン層のすそ野を広げるためにテレビアニメ化を考えた」(服部徹・映像事業部長、以下同)。テレビアニメ化前の単行本販売部数は各巻10万部前後だったが、アニメ化を機に各巻10万部前後増刷があり、2倍へと販売部数を伸ばした。

一命

3D上映など、今年度のカンヌ国際映画祭でも話題に。市川海老蔵、瑛太のW主演(画像クリックで拡大)

劇場版
魔法先生ネギま! ANIME FINAL

『週刊少年マガジン』で連載中。コミックは累計1500万部超(画像クリックで拡大)

大鹿村騒動記

7月19日に逝去した俳優・原田芳雄と阪本順治監督の6度目のタッグ。南アルプスの大鹿村に伝わる実在の村歌舞伎を背景に描いた群像劇(画像クリックで拡大)

夏以降公開される講談社映画
『大鹿村騒動記』と『一命』は幹事会社を共同で手がける。幹事会社は、出資者を募って製作委員会を組織したり、各社の宣伝協力を取りまとめるなどの役割を果たす。『魔法先生ネギま!』は、小学館の原作『劇場版ハヤテのごとく!』(『週刊少年サンデー』連載中)と2本立ての公開。大手2社の異色のコラボ企画だ。

(C)2011映画「一命」製作委員会 (C)2011「大鹿村騒動記」製作委員会 (C)赤松健・講談社/新ネギま部