2011年7月24日正午、東日本大震災で被災した一部地域を除いてアナログ放送が終了した。以前から使ってきたアナログテレビがいよいよ使えなくなるとあって、家電量販店のテレビ売り場には6月末ごろから購入を求める客が殺到。多くの地デジ対応テレビやチューナーが全国的に売り切れるなど、駆け込み需要の状況がたびたび報じられた。

 そのラッシュはどれくらい大きなものだったのか、地デジ化が済んだあとのテレビ売り場の価格や在庫はどうなっているのかを、ヤマダ電機 LABI1 日本総本店 池袋の1階のテレビ売り場で取材した。都内屈指の家電量販店の状況から、テレビを取り巻く動向を探ってみたい。

【7月後半】32V型テレビと単体チューナーユニットが入手困難に

 アナログ放送終了5日前の7月19日に同店を訪れると、テレビ売り場にはさまざまな年代の人たちが買い物にきていた。特に混雑していたのが、コストパフォーマンスが高く売れ筋となっている32V型のコーナーだ。4万円を切る最安ラインの製品は、すでに入荷待ちの状況。にもかかわらず、売れ行きは一向に衰えなかったという。スタッフは「とても多くの方に来店いただいていまして、現在(7月19日)は8割近い商品の在庫がなくなっています。お届けできる予定は8月頭からになっています」と話していた。

7月19日昼ごろのヤマダ電機 LABI1 日本総本店 池袋。1階の全フロアがテレビ売り場となっている(画像クリックで拡大)

32V型モデルコーナーには、平日にもかかわらず普段以上の人だかりができていた。バックヤードの在庫はかなり少なくなっており、持ち帰りが可能な即納モデルでもほとんどが売り切れ直前といった状態だった(画像クリックで拡大)

 アナログテレビに取り付けると地デジが見られる単体チューナーユニットも人気だった。だが、専用コーナーでは「完売」の文字が見らる。購入できなかった人も多かったようだ。取材の数日後、リーズナブルな価格の単体チューナーが緊急入荷したものの、スタッフによると「またたく間に売り切れました。2万~3万円する高級タイプは例外ですが、単体チューナーは地デジテレビ以上に入手困難なアイテムとなっています」という状況だった。

地デジチューナーコーナーには「完売しました」の大きな文字が見られた(画像クリックで拡大)

 各社のハイエンドクラスを除き、薄型テレビの主力モデルは6月後半あたりから在庫が少なくなっていた。7月24日の地デジ化直前に地デジ環境を整えるのはもはや厳しい状況になっていたわけだ。そうした状況を売り場に足を運んで初めて知った人も少なからずいたと思われるが、そこで騒ぎ出すような人はほとんどいなかったという。

50V型前後の大画面モデルは、在庫が比較的潤沢に残っていた。写真は東芝の47V型モデル「REGZA 47Z2」で、当時は21万4800円(ポイント20%)の値が付けられていた(画像クリックで拡大)

 その状態から2週間後、売り切れた製品が再入荷するころを見計らい、8月3日に再び同店を取材させてもらった。