100m2運動で自然を保護、登録へ。世界最南端の流氷接岸地、知床

流氷(画像クリックで拡大)

オシンコシンの滝(画像クリックで拡大)

 アイヌ語のシリエトク(地の果ての意味)から名づけられた知床半島。海底火山活動で海中から山脈が隆起してできた半島はほとんどが未開拓。道路は半島の半分ほどまでしかなく、手つかずの大自然が残されている。

 知床は、流氷が接岸する世界最南端の地であり、海と川、森が一体となった独特の生態系を持つことから、ヒグマなどの哺乳類、サケやマスなどの魚類、クジラなどの海生哺乳類、希少種に認定されているシマフクロウ、オジロワシなども生息する野生動物たちの楽園だ。これらの季節海氷による海洋生態系と陸上生態系が複合した特異な生態系が評価され、2005年に世界自然遺産に登録された。

 登録が決定した際、知床半島は国際自然保護連合(IUCN)からいくつかの課題解決を求められた。エゾシカの個体管理、半島の先端部への立入規制、海域の生物を保護するガイドラインの策定などだ。これらの対策を行うために知床五湖の利用ルールが作られ、エコツーリズムの検討会議も行われている。

 知床に広大な手付かずの自然が残されているわけは、30年以上前から国立公園を管理する斜里町が進めてきたナショナルトラスト運動「しれとこ100平方メートル運動」の成果である。これは、国立公園内の開拓跡地の乱開発を防ぐために、土地の買取や植樹のための費用を8000円を一口として全国に寄付を募った運動。1997年には寄付金が5億2000万円集まり、保全対象地の97%の土地を取得し植樹も進んでいる。さらに、1997年からは「100平方メートル運動の森・トラスト」と名づけ、原生林の再生を続けている。

 これらの長年にわたる取組みは世界遺産に登録されたことで知られ、現在の運動参加者は述べ1万4564人(2011年1月現在)。金額は1997年以降、2億4900万円を超えた。

 知床での人気のある楽しみ方は、観光船で海から半島の自然を眺めること。冬場には流氷やオーロラを体験できる観光船ツアーもあり、1年を通して雄大な大自然に触れることができる。

トレッキング(画像クリックで拡大)

知床五湖(画像クリックで拡大)

アクセス:■オホーツク海側ウトロ:女満別空港からバスで約1時間50分
        ■羅臼:中標津空港からバスで約1時間30分

知床自然センター:ホームページ

斜里町商工観光課:ホームページ