なでしこ効果でさらに参詣者増加!?  パワースポット人気の熊野古道

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 太平洋を望み、和歌山県、奈良県、三重県の3県にまたがって広がる紀伊山地。熊野三山、吉野・大峯、高野山の3つの霊場と、それぞれから伊勢神宮や京都へ結ばれる参詣道が、世界遺産に登録されたのは2004年。信仰を育んだ神秘的な自然と人々の営みが一体となった「文化的景観」とともに、世界に比類のない文化遺産であるという評価を受け登録となった。

 苔むした石畳や那智の滝をはじめ、マイナスイオンあふれる大小さまざまな滝が点在する熊野古道、弘法大師が開いた真言密教の世界に触れられる高野山、春には山全体が桜色に染まる吉野山など、総面積50ヘクタール、300km以上にもおよぶ参詣道。中でも気軽なエコツーリズムとして注目されたのが、熊野三山を巡る和歌山県内の熊野古道だ。同時に女性をターゲットとしたメディアを中心に「パワースポット」としても取り上げられ、人気が高まった。特に熊野三山で信仰されている三本の足を持つ神鳥「八咫烏(ヤタガラス)」は、日本サッカー協会のシンボルマークとしても有名。なでしこジャパンがドイツへ向かう前に必勝祈願に訪れていたこともあり、ますます参詣に訪れる人が増加する見込みだ。

官民共同事業が続々と誕生

 2006年には、和歌山県田辺市内の5つの観光協会(田辺・龍神・大塔・中辺路町・本宮)を構成団体として、官民共同で田辺市熊野ツーリズムビューローを設立。積極的な観光プロモーションを行い、2010年には法人格を取得し旅行業にも着手している。さらに、田辺市と和歌山県で建物を作り、コンペ方式で決定した民間の委託先に運営を任せる、公設民営方式の宿泊施設「霧の郷たかはら」が2008年にオープン。

 また、年間を通して雨量が多く、台風の被害にもたびたび見舞われることから山中に続く参詣道は傷みやすく、継続性のある保全活動が必要不可欠であるが、参詣道に土を入れて修復する「道普請」への参加を呼びかけ、現在、1万2378人(うち民間企業等17団体、1115名)が参加し修復活動を行っているなど、官民一体となったあらゆる取組みが行われているのが特徴的だ。

 世界遺産登録をきっかけに、川の参詣道である熊野川の川舟下りも復活(熊野川川舟センター)。ウォーキングイベントや熊野古道ガイド「語り部」の組織も充実している。

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アクセス: ■熊野三山:JR紀伊本線「紀伊田辺駅」「紀伊勝浦駅」「新宮駅」からバス
        ■高野山:JR新幹線「新大阪駅」から「難波駅」を経由し、
        南海高野線「極楽橋駅」下車、南海高野山ケーブルで「高野山駅」へ
        ■吉野山:JR新幹線「京都駅」から近鉄線「吉野駅」下車、ロープウェー

世界遺産熊野古道案内:ホームページ

和歌山県世界遺産センター:ホームページ

熊野古道伊勢路:ホームページ

奈良県弘法大師の道:ホームページ