※この記事は日経エンタテインメント!(8月号)の記事を転載したものです。購入はこちら

 映画館で、音楽や演劇など映画以外の映像を上映するODS(Other Digital Stuff)事業に、大手芸能事務所のアミューズが乗り出した。6月1日付けで新会社「ライブ・ビューイング・ジャパン」(LVJ)をファミリーマート、博報堂キャスティング&エンタテインメント、WOWOWと設立。社長にはアミューズの大里洋吉会長が就任した。

 アミューズがODS事業に乗り出した背景には、音楽業界の厳しい現状がある。同社にはサザンオールスターズ、福山雅治、ポルノグラフィティ、Perfumeなどアーティストが数多く所属。CDの売り上げが下がり、音楽配信が伸び悩む状況は、同社にとって影響が大きい。そんななか、コンサート市場だけは少しずつ伸びている。「コンサートは会場のキャパシティーに制限があるので、人気アーティストといえども売り上げには限界がある。だが、シネコンがデジタル化されたことで、コンサートの生中継をシネコンで上映できるようになった。シネコンは音響設備が整っているので、コンサート会場に近い臨場感があるし、観客は仲間と一緒に盛り上がれる。自宅でテレビ中継を見るのとは違うODS事業に可能性を感じた」(アミューズの久保田康・マネージメント情報管理部長)。

 アミューズでは昨年夏ごろからODS事業の検討を始め、12月には3本の生中継を実施。宇多田ヒカル「WILD LIFE」コンサート、アミューズ若手俳優のファン感謝イベント「SUPERハンサムLIVE」、福山雅治「福山☆冬の大感謝祭 其の十」を手がけ、本格的な事業化に向けて手ごたえをつかんだ。今年5月下旬にはラルク アン シエル「20th L'Anniversary Live」の生中継も実施。宇多田とラルクはアミューズ所属ではないが、「LVJではアミューズ以外のアーティストも積極的に手がけていく。各社に提案して回っているが、反応はいい」。