※この記事は日経エンタテインメント!(8月号)の記事を転載したものです。購入はこちら

 米NBCで1975年にスタートし、土曜夜の生放送バラエティとして今も続く看板番組が『サタデー・ナイト・ライブ(以下、SNL)』だ。レギュラーを務めるコメディアンと、その日のホスト1名、音楽ゲスト1名で送る90分。過去、この番組のレギュラーからエディ・マーフィ、ロバート・ダウニー・Jr、マイク・マイヤーズなどなど、数々のコメディアンが台頭したことでも知られる。この歴史ある『SNL』の日本版が、6月よりフジ系でスタートした。

サタデー・ナイト・ライブJPN

『SNL』のローカライズ版が制作されるのは、イタリア、スペインに次いで、3カ国目。月1回、土曜日23時10分よりフジ系で放送。レギュラーは明石家さんま、今田耕司のほか、『ピカルの定理』メンバーのピース、モンスターエンジン、ハライチ、平成ノブシコブシ、大島麻衣、渡辺直美、夏菜。第1回目を終えて、明松氏は「せっかく大御所のさんまさんと、『ピカル』の若手が共演できるのだから、コントの世界観での“強烈な化学反応”を起こしたい」と意気込む。6月4日、23時10分から放送された第1回目の視聴率は7.9%(ビデオリサーチ関東地区)(画像クリックで拡大)

 プロジェクトが動き出したのは08年秋、吉本興業が米最大手プロダクションCAAと業務提携を交わしたことに始まる。CAAを経由して、米番組制作会社から日本へと番組の売り込みが殺到。『SNL』もその1つだった。

 キーマンはよしもとエンタテインメントUSAや、系列企業であるベルロックメディアの弁護士を務める頼廣彰伸氏。09年の正月に、番組の制作会社ブロードウェイビデオ(以下、BV)のジャック・サリバン社長らが来日して意見交換を交わした際にエスコート。昨年3月、沖縄国際映画祭の会場で打ち合わせが行われた際も、頼廣氏がその場を仕切った。

 当初、日本サイドは慎重だった。米『SNL』は、旬のビッグアーティストやセレブはもちろん、時には大統領までスタジオに登場する。こんな豪華なホストを、日本で毎週集められるのか。また、テロップなどの加工や編集で見せる収録番組が大半を占める日本で、対極にある「生放送のコントと音楽」がウケるのかも危惧された。

 ニーズを探るべく、吉本は09年8月にベルロックメディアの動画サイト「myzo」で『SNL』の要約動画を10編配信。すると、これが1カ月で200万ビューを突破。好結果を受けてスポンサーも決まり、「夢だと思っていた番組制作が実現した」(頼廣氏)のだ。