一気に広まってほしくない?

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 東日本大震災の影響で、3月~4月中の自転車の販売台数は大幅に伸びた。これを一過性のものと見る関係者もいるが、「節電」意識の高まりが自転車にスポットを当てたと言ってもいいだろう。

 通勤用に注目されているのが、スピードを出しやすいクロスバイクやロードバイクなどのスポーツバイクだ。スポーツバイクと言うと海外メーカーのイメージが強いが、実際には日本製のものも多い。

 日本の老舗自転車メーカー、ブリヂストンサイクルは、スポーツ自転車のブランドも持つ。同社は自転車競技チーム「チームブリヂストン・アンカー」も運営しており、ロードレース、クロスカントリー、BMXなど数々のカテゴリーで一流選手を擁している。この「アンカー」を冠したブランドのスポーツバイクは海外からの評価も高い。

 また同社のシティサイクルは長年、幅広い世代から支持され続けてきた。近年は電動アシスト自転車も大ヒット。雑誌「VERY」とのコラボモデル「HYDEE.B(ハイディビー)」や、5月27日に発売したばかりの小径電動アシスト自転車「JOSIS-WGN E.A.(ジョシスワゴンイーエー)」などが市場を席巻している。

 そしてこうしたスポーツバイクやシティサイクルのカテゴリーには収まらない“スピードクルーザー”として打ち出しているのが、自転車アパレルブランド「nari/furi(ナリフリ)」とブリヂストンの共同開発による「HELMZ(ヘルムズ)」だ。「山から生まれたマウンテンバイクでも、サーキットから生まれたロードバイクでも、その中間のクロスバイクでも、シンプルなおしゃれさ重視のピストバイクでもない」新たなジャンルの自転車なのだという。

 ネーミングの語源である「helm」という単語には「舵を取る、導く」という意味がある。この新ジャンルをけん引していこうという意志の表れでもあるだろう。

 ただ4月27日に発売になったヘルムズの新モデル「H1X」(17万9000円)および「H10」(9万9800円)、2010年4月に誕生した「H1」(17万円)という3モデルの年間目標台数は600台。ブリヂストンとしては驚くほど控えめな設定で、ガツガツとした野心を感じさせない。

 ブリヂストンサイクル商品企画 瀬戸慶太氏は「もちろん、売れてほしいけれど、一気に広まってほしい商品でもない」という。

 ではこのヘルムズはどういう位置づけなのか。