ドワンゴが2011年5月22日、ニコニコ動画のライブイベント「ニコニコ大会議」を台湾・台北市で開催した。同イベントのラストにして初の海外公演のチケットは1分で完売するほどの人気。イベントでは新施設の開設や大会議の代わりに大規模フェスティバルを開催することなども発表した。1000人が行列、日本からもネットで14万5000人が視聴したライブイベントから、ニコニコ動画の海外展開の可能性などを探った。

 「楽しかったよー」――会場前のアスファルトの上に座り込んで仲間たちとライブの余韻に浸るexample(ニックネーム)さん。資格試験の受験生でもうすぐ25歳になるという彼女は、facebookなどのネットサービスで知り合った仲間18人と約1週間前から数人ずつの交代で会場前に並んでいた。苦労して確保した列の先頭。ライブ終了後、「並んだかいがありましたね」と声をかけると日本で「はい」と応えた彼女。その笑顔は満足感でいっぱいのように見えた。

 ドワンゴと傘下でニコニコ動画を運営するニワンゴは2011年5月22日、台湾の台北市で動画投稿サイト「ニコニコ動画」のライブイベント「ニコニコ大会議台湾2011-感謝・感激・感動・台湾-」を開催した。初の海外公演にもかかわらず、チケットは販売開始後1分で1000枚が完売。ドワンゴによれば、日本からは14万5000人、台湾でも5万人がネット経由で“来場”した。会場となったLegacy台北は、ここ数年小型ライブが開催されており、ビッグアーティストもたびたび出演している。7月には日本の人気バンド、GLAYのライブも開催される予定だ。

左上写真の左から2番目がexampleさん。日本語も流暢に話す。会場前は開演を待つ人でごった返した(画像クリックで拡大)

 「半信半疑なところもあったけど、とにかくやってみないとね」――会場を訪れていたドワンゴの川上量生会長も、その盛況ぶりに舌を巻く。ニコニコ大会議は、ニコニコ動画の新機能などを紹介するイベントとして2008年に始めた。その後、ニコニコ動画に動画を投稿して人気の「歌い手」と呼ばれる人たちのパフォーマンスも組み合わせるようになり、2009年11月から全国のライブハウスなどを回るライブイベントとして展開し始めた。リアルイベントが同時にネット中継されるのが大きな特徴。ネットでライブを視聴できる「ネットチケット」も販売し、ライブ映像にバーチャル演出などを加えて配信するものだ。

 2010年12月~2011年2月にかけて全国各地で開催したツアー「ニコニコ大会議2010-2011全国ツアー ~ありがとう100万人~」では、全11公演で計2万2000枚以上のネットチケットを販売。ドワンゴによれば1公演当たりの販売数は、最大で数千枚~1万枚程度にもなる。 ドワンゴは昨年10月、ニコニコ動画をベースとした音楽ライブのほか、ミュージカルなども手がける事業部を設けて事業拡大を進めている(「ライブもミュージカルも! ドワンゴがニコ動で本格展開を目指す“ネットライブ”」)。ネットチケットの購入者が増えれば、ライブ会場の収容人数にかかわらず、大きな収益を確保できるようになる。目指すのはネットとリアルを融合した新たなエンタテインメントの創出だ。

ニコニコ大会議2011 in 台湾には、日本でも人気のclear、Gero、赤飯、蛇足、ぽこた、ティッシュ姫などのほか、ニワンゴの杉本誠司社長なども出演した(画像クリックで拡大)

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