せっかくの長期休暇! とはいえ、震災からの不安感で出かける余裕なんてない、自宅でゆっくりすごそうと決めている人が多いのでは。傷つきくたびれてしまったココロの復興には、ちょっと現実から離れてみるのがオススメ。「心を静める」「前向きになる」という2つの観点から選んだ、とっておきの11冊を紹介します。

(文/土田みき 平山ゆりの)

▼心を静める編

 東日本大震災から2カ月。自分が被災したわけでなくても心がざわざわしている、という声を聞きます。そんな落ち着かない気持ちを安らかにしてくれる、5冊を選んでみました。

心を静めるBOOK(1)

『谷川俊太郎詩選集 1』 谷川俊太郎

みんなになじみ深いあの詩も収録
平易な言葉遣いが心しみる詩選集

集英社文庫/520円(画像クリックで拡大)

 現代日本を代表する詩人・谷川俊太郎の作品を、年代を追って選りすぐった名詩選の第1弾。1952年の処女詩集『二十億光年の孤独』から1974年の『空に小鳥がいなくなった日』までの17冊から、100以上が収められている。出版当時の「あとがき」が転記されているものもあり、谷川俊太郎という一詩人の変遷も味わえる。

 谷川俊太郎の持ち味である分かりやすい言葉づかいに加え、若さや勢いに満ちた詩も多い。「カムチャツカの若者が/きりんの夢を見ているとき/メキシコの娘は朝もやの中でバスを待っている」と世界各地の朝の情景をつなげて地球家族をうたった『朝のリレー』や「生きているということ/いま生きているということ/それはのどがかわくということ/木もれ陽がまぶしいということ」と当たり前に感じていることすべてが命の証で喜びであることを具体的に切り取った『生きる』など、有名な作品も多数ある。一単語ごとの意味をかみしめるような作品もあれば、言葉の重なりや音を楽しむ作品もある。言葉遊び的な「かっぱかっぱらった/かっぱらっぱかっぱらった/とってちってた」などは、谷川俊太郎の詩と知らずに口にしたり耳にしたりしている人もいるだろう。

 鋭く深い内省の末に紡がれた言葉は、ときに怒りにとがり、喜びや悲しみにあふれ、憂いに満ちて響いてくる。詩人の思いは、実に多彩で多面的。あなたが言葉にしきれずにためてしまっている心のもやもやに、そっと寄り添う1編が見つかるかもしれない。