※この記事は日経エンタテインメント!(5月号)の記事を転載したものです。購入はこちら

 各界のマンガ好きが選ぶ「マンガ大賞2011」に、『3月のライオン』が決まった。高校生プロ棋士を主人公にした本作。身を削るような勝負の世界を軸に据えながら、少年の近くに暮らす三姉妹や、棋士仲間との交流など温かな日常も描く。勝負マンガに終わらない作劇の奥深さが高く評価された。

3月のライオン

『ハチミツとクローバー』作者の新境地。4巻、5巻から物語の本質が見えて急激に面白くなる。満を持して受賞(画像クリックで拡大)

 マンガ大賞は今年で4回目。運営する実行委員は、発起人であるニッポン放送アナウンサー・吉田尚記氏、書店員、デザイナーら、もともとマンガ好き仲間だった男女8人からなる。活動はすべて有志で、吉田氏は自身の受け持つ番組で話題にしたり、問い合わせに応じたり広報的役割を担い、デザイナーがリリースやHPを制作する。

 賞の対象となるのは、最新刊が8巻までの作品。選考委員約90人が1人最大5作を選んで投票(1次投票)し、ノミネート作を決定する。そこから改めて3冊を選考して(2次投票)、結果を得点化し、1位が大賞となる。

 選考委員は、マンガ家本人や編集者、装丁家を除き、「実行委員の知り合いでマンガ好きを保証できる人」(吉田氏)が条件。書店員や評論家から、経営者、医師、主婦まで肩書きは様々だが、「選定作品の質を保つため、選考委員の数は無理に増やすつもりはない」(同氏)。

 第2回の09年の受賞作だった、かるた部の高校生を熱く描いた『ちはやふる』が発表後話題になり、昨年は風呂ギャグマンガ『テルマエ・ロマエ』が受賞後ミリオンセラーになった。今作は、発表と同時に「マンガ大賞受賞」とうたった帯につけ替えられている。手弁当だからこそ信頼される賞として、その影響力は年々高まっている。

2011年マンガ大賞 最終候補ノミネート結果
順位 作品 著者/出版社 pt
1 3月のライオン 羽海野チカ/白泉社 75
2 乙嫁語り 森薫/エンターブレイン 55
3 アイアムアヒーロー 花沢健吾/小学館 51
4 花のズボラ飯 作・久住昌之 漫画・水沢悦子/秋田書店 50
5 失恋ショコラティエ 水城せとな/小学館 47
6 さよならもいわずに 上野顕太郎/エンターブレイン 42
7 進撃の巨人 諫山創/講談社 41
8 刻刻 堀尾省太/講談社 38
9 ましろのおと 羅川真里茂/講談社 36
10 ドリフターズ 平野耕太/少年画報社 35
10 ドントクライ、ガール ヤマシタトモコ/リブレ出版 35
12 主に泣いてます 東村アキコ/講談社 27
13 SARU 五十嵐大介/小学館 21
※…ポイント(pt)集計方法:ノミネート13作に、1人3位までを投票。1位→3pt 2位→2pt 3位→1ptに換算してポイント化される(選考委員は一次投票89人、二次投票93人)

(文/平山 ゆりの)

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