プラットフォームはいずれHTML5に移行

 結局、タブレットからスマートフォンまで含め、製品の差異化は、メーカー各社の採用するプラットフォームと、その上に形成される多彩なアプリやコンテンツ、いわゆるエコ・システムにかかってくる。これに関して、MWC2011の開催直前に発表されたフィンランドのノキアとマイクロソフトの提携が注目を浴びた。MWCのパネル・ディスカッションでも、非公式の議題として取り上げられることが多かった。この提携の成否をはっきり占うパネリストは皆無だったが、一般的にはノキアが現在のSymbianからWindows Phoneに乗り換えるタイミングが下手をすると1年先にずれこむ可能性があることが懸念されている。その間もSymbianで行くとすれば、ノキア製品のシェアはこれまで以上に急落してしまうだろう。なぜなら廃止が決まっているOSを搭載した製品を買う消費者など、そうそういないからだ。Windows Phone搭載のノキア端末が遅れるほど、両社提携のプラス効果は失われてしまう。

 さらにiOS、Android、Windows Phone OSなど、個別プラットフォームがいずれ時代遅れになる、との見通しも語られた。MWC2011で講演したGoogleのEric Schmidt氏やHTCのPeter Chou氏らは、共通プラットフォームとしてのHTML5の重要性を強調し、「現在の個別プラットフォームからHTML5への移行は時間の問題である」との見通しを語った。スマートフォンやタブレットのプラットフォームがHTML5へと移行した場合、各社製品の差異化は、メーカーやキャリア各社が構築するウェブ・アプリのマーケットの質や量にかかって来る。既にHTCは主要キャリアと、それらの検討に入っていると見られている。

(文/小林 雅一、ジャーナリスト・KDDI総研リサーチフェロー)