※この記事は日経エンタテインメント!(3月号)の記事を転載したものです。購入はこちら

 東京の渋谷周辺ではミニシアターの“閉館ラッシュ”が続いている。恵比寿ガーデンシネマは1月28日に幕を下ろし、シネセゾン渋谷は2月27日に閉館。渋谷では、昨年7月にシネマライズが2館閉館して1館のみの運営になったのを皮切りに、9月に渋谷シアターTSUTAYA、10月にヒューマントラストシネマ文化村通り、11月にシネマ・アンジェリカが閉館した。特に恵比寿ガーデンシネマとシネセゾン渋谷は80~90年代のミニシアターブームを支えた老舗の人気館だったことから、マスコミが大きく取り上げるニュースとなった。

老舗ミニシアター2館が閉館

恵比寿ガーデンシネマは2スクリーンで94年にオープン。マイケル・ムーア監督作『ボウリング・フォー・コロンバイン』や、ウェイン・ワン監督作『スモーク』などのヒット作を生み出した(画像クリックで拡大)

シネセゾン渋谷は1スクリーンで85年にオープン。リュック・ベッソン監督作『レオン完全版』などのヒット作を生み出した。同館では2月5日から27日までクロージング企画を実施する(画像クリックで拡大)

 近年、洋画を中心に上映するミニシアター運営は厳しさを増していた。かつて上映される映画は「単館映画」と呼ばれ、1つのミニシアターでしか上映されなかった。だが、2000年ごろから複数のミニシアターやシネコンで上映されるようになり、観客が分散化。邦画ブームで若者が邦画を好んで見るようになったこともミニシアター離れを加速させた。

 DVDマーケットの冷え込みから、配給会社が洋画の買い付けを減らしていることも一因。シネマライズが『フローズン・リバー』『ブンミおじさん』を買い付けるなど、劇場自らが作品購入に乗り出すケースも出ているほどだ。

 ただし、渋谷にはミニシアターがまだ8館残っており、「これまでがミニシアター過多。適正規模になったのでは」(興行関係者)との声もある。

 ミニシアターが減るものの、渋谷界隈では新しく生まれ変わる映画館もある。4館が入る映画館ビル「渋東シネタワー」だ。今年12月までに、現在の4館から6館へスクリーン数を増やし、座席の配置に傾斜をつけてシネコン仕様にする。館名を「TOHOシネマズ渋谷」に変え、インターネットのチケット購入システムやポイントカードなどを導入する。