※この記事は日経エンタテインメント!(12月号)の記事を転載したものです。購入はこちら

 新しい音楽配信フォーマット、「iTunes LP」を使った邦楽アーティストのリリースがスタートした。アップルコンピュータが展開する「iTunes」はアルバム収録曲も1曲単位で買えるのが特徴だが、iTunes LPは特典を付けてアルバム単位で販売。歌詞やライナーノーツ、PVやインタビュー映像などが付く。

 iTunes LP自体は09年9月に誕生。北米ではサービスが始まるとすぐに、マドンナやエリック・クラプトンなどビッグアーティストのリリースが相次いだ。最近でもマルーン5やリンキン・パークなど、ヒットチャートの常連がボーナストラックやライナーノーツなどを加えてリリースしている。

 邦楽アーティストとして初めてiTunes LPをリリースしたのはSuperfly。約30万枚を売り上げたCD『Wildflower & Cover Songs:Complete Best 'TRACK3'』の音源に未発表写真や、メイキング、インタビュー映像などを加えたタイトルを9月15日にリリース。iTunesの総合アルバムチャートで、1位を2週間以上獲得した。

 ワーナーは、次いで移籍したばかりのシンガーソングライター九州男(くすお)のアルバム『±1(プラマイイチ)』のiTunes LPをCD発売と同時となる11月3日にリリースした。ミュージックビデオに加えて、楽曲名や歌詞をキーワードにした神経衰弱など4つのゲームを搭載する。

 歌詞カードすらなく、“聴くだけ”だった配信をCDに近づけたiTunes LP。この方式でのリリースは、音楽に100円単位でしかお金を使わない配信世代からの単価を上げるのが狙いの1つだ。ワーナーの佐古文昭プロデューサーは「九州男は着うた市場で強いアーティスト。気に入った楽曲だけダウンロードしていたユーザーに、アルバム単位で購入してもらうことが目標」と語る。

まずはワーナーの邦楽アーティストがiTunes LPに参入

Superfly
『Wildflower & Cover Songs:Complete Best 'TRACK 3'』

歌詞表示に加えて、『Wildflower』のミュージックビデオやメイキング、インタビュー映像。未発表写真が見られるなどオーソドックスな作り。ジャケットにカーソルを合わせるとLPレコードが飛び出てくる仕掛けもある(画像クリックで拡大)

 
九州男
『±1』

着うたで音楽を聴いているユーザーが、携帯電話で慣れ親しんでいるゲームを搭載。「ニンテンドーDS用のゲームも手がけている開発会社が制作しています。本格的な4つのゲームを搭載し、何度も挑戦してみたくなるクオリティーに仕上げました」(佐古氏)(画像クリックで拡大)