スマートフォン向けプラットフォームの1つであるAndroidは、iPhone同様ゲーム・プラットフォームとしても大きな注目を集めている。だが一方で、Android向けのアプリケーションを配信する「Androidマーケット」は、世界中で提供されているということもあり、「色々な言語のアプリが氾濫して分かりにくい」、「クレジットカードがないとアプリが買えない」など、日本人が安心して利用するには多くの問題を抱えているのも事実だ。

 そうした問題を解決し、Androidのゲーム市場を活性化させるには、何が求められているのか。「東京ゲームショウ2010」モバイルコーナー内の「Android」コーナーでは、問題の解決と市場活性化に向けた取り組みについて、Androidを搭載するスマートフォンを開発するメーカーや、それを提供する携帯電話キャリアなどから講演がなされている。

 日本でも人気を博している“Xperia”を開発している、ソニー・エリクソンのカール・ヨハン・ダリストローム氏は、エンターテインメントにコミュニケーションを取り入れ、新しい体験をもたらすためにXperiaを提供したと説明。携帯電話のゲームプラットフォームが、従来の携帯電話からスマートフォンへ向かうに従い大きく進化し、Xperiaではハイビジョン画質のゲームが開発・提供できるようになっていることが示された。

 またソニー・エリクソン自身、“developer WORLD”というプログラムを用意し、さまざまなツールを提供して開発者を支援しているほか、ユーザーに向けて“PlayNow”というサービスを提供。同社が厳選したアプリケーションをピックアップすることで、ユーザーに質の高いアプリケーションを提供できるとした。

 そのXperiaを日本で販売しているNTTドコモの蜷川智之氏は、販売方法の変更で携帯電話市場が急速に縮小する中、スマートフォンの市場は昨年、年率23%で成長していると話している。こうしたことから同社は、従来の携帯電話のシリーズ分類から、スマートフォンを独立させ“ドコモ スマートフォン”として展開。2010年度の販売目標を100万台に設定するなど、スマートフォンの販売に力を入れる方針を示した。

 一方で、Androidマーケットは世界中のどのアプリケーションも同じように扱われているため、面白いアプリ、ユーザーが欲しいアプリが見つけづらいなど、多くの問題を抱えている。こうしたことから、同社は独自の「ドコモマーケット」を提供。新着・おすすめアプリの紹介をしたり、分かりやすくカテゴリ分類したりするなどの取り組みをしている。登録されているコンテンツ数も9月時点で330にまで増やしているが、ゲームは50程度と数が少ないとのこと。今後ぜひ増やしていきたいと話している。

 KDDIの平野祐介氏も、アプリケーションの探しづらさやレコメンドの少なさ、決済手段の少なさなど、スマートフォン向けマーケットのさまざまな問題を指摘。これを解決する手段として、やはり独自の「au one Market」を提供していることを紹介。日本のアプリケーションを分かりやすく分類して紹介するのに加え、携帯電話の公式サイトのように、クレジットカード不要で利用できる、いわゆる“キャリア決済”を提供。月額課金・アイテム課金など柔軟性のある課金体系を用意しているという。

 さらにau one Marketでは、ユーザーが安心してアプリケーションを利用できるようにするため、3段階の検証体制を用意。加えて端末の性能を限界まで利用するアプリケーションを提供しやすくするよう、機種別に異なるバイナリを提供するなど、ゲーム開発者にもメリットのある仕組みを用意しているという。

 Androidのゲーム市場の立ち上がりに対する期待の声は大きいが、市場が本格的に立ち上がるには、解消していかなければならない課題も少なくない。各社の取り組みによってこうした問題を解消し、ゲームの世界でも大きな存在感を示すようになることを期待したいところだ。

▲ソニー・エリクソンのAndroidゲーム市場に対する取り組みについて語るカール氏(画像クリックで拡大)

▲開発者にツールやサポートサービスを提供する一方、ユーザーに独自の“PlayNow”というサービスを提供、質の高いアプリを紹介するという(画像クリックで拡大)

▲スマートフォン向けマーケットにおける問題点と、KDDIの取り組みについて話す平野氏(画像クリックで拡大)

▲「au one Market」の全体図。レコメンドの充実と安全性の確保と、豊富な課金手段の提供でマーケットを盛り上げるという(画像クリックで拡大)