ビクターエンタテインメント、デジタルビジネス部デジタルプロモーショングループの高澤紳悟氏。「Ustreamはライブの空気感を伝えるにはベストのメディアでは」と語る(画像クリックで拡大)

 米国発のUstreamはiPhoneなどのスマートフォンを通じて手軽に動画を配信できることから利用者が急激に拡大、音楽の配信も増えている。ソフトバンクが出資しており、4月からは日本語版ページも立ち上がった。

 こうした先進的なネットサービスを使うことで「従来のファン以外の人たちにもアプローチしたい」と話すのはビクターエンタテインメント、デジタルビジネス部デジタルプロモーショングループの高澤紳悟氏。音楽ファン以外にも幅広く音楽を聴いてもらうのが狙いだ。音楽CDの市場は縮小傾向だが、いわゆる「夏フェス」などの音楽イベントは好調。ライブに行ったような空気感を伝えることが音楽ファンの拡大につながるのではないかと考えた。Ustreamはきちんと音楽を聴いてもらえる環境が整ってきており、見てもらうのも簡単なことから公式チャンネルを作って積極的に活用することにした。

 Twitterを活用したプロモーション企画も4月から始めた。斉藤和義の新曲で、薬丸(石川)秀美らが出演して話題の資生堂IN&ONのCMソングにもなっている「ずっと好きだった」の発売にあわせて4月21日から展開している。

twitter大喜利「ずっと好きダッター」では「ずっと好きだった」のプロモーションビデオも見られる(画像クリックで拡大)

 「twitter大喜利 ずっと好きダッター」はテーマにそったつぶやきをtwitterで投稿してもらう企画。つぶやいたメッセージが新曲のプロモーションビデオ上に流れることなどもあり「盛り上がった」(高澤氏)。5月13日までの投稿数は約2400。企画ページに購入先へのリンクボタンを掲載している「iTunes Store」では、ダウンロードランキング1位も獲得した。高澤氏はプロモーションが「効果的だった」と見る。5月13日からは第二弾を「2ndシーズン」として開催している。

 ビクターエンタテインメントは、2008年2月から、動画配信サイトの「YouTube」で所属アーティストの音楽ビデオなどを配信。10年1月からはTwitterに公式アカウントを設けるなどしてネットプロモーションを拡大してきた。ネットユーザーの関心が高いUstreamなどもいち早く活用し、コアな音楽ファン以外の層にも様々な音楽を聴いてもらえるようにする。

 高澤氏はネット上での取り組みを「プロモーションにどうつなげていくかが課題」と語る。新たなメディアを活用しても、ただ映像を流しているだけでは宣伝効果は高まらない。メディアとの連携なども含めた企画性を考えながら今後、効果的な手法を検討していく。

(文/吾妻拓=日経トレンディネット)