日本人女性2人目の宇宙飛行士となった山崎直子さんが宇宙船内で着ている衣服が話題を集めている。有名デザイナーに特注したカーディガンから機能性を重視したシンプルなソックスまで全部で14点。宇宙滞在中の生活を快適に送るための、機能と安全性に優れた衣服には、日本のものづくり技術が満載されている。

選ばれた基準は? 「長期間着ても清潔で臭わない」が第1条件

 山崎さんが搭乗したスペースシャトル「ディスカバリー」号は、4月5日19時21分(日本時間)に打ち上げられ、19日に帰還する。丸2週間も宇宙に滞在するとなると当然、地球上とは異なるさまざまな機能が求められる。宇宙航空研究開発機構(JAXA)では09年9月、山崎さんが搭乗する宇宙船内に搭載する衣服を一般から公募。JAXAと外部委員からなる選定委員会で審査した後、安全性の実証試験などを経て選ばれた9社の製品が宇宙に飛び立った。

 では、どんな衣服が宇宙船用衣服にふさわしいのだろうか。まず、宇宙船内では体を洗ったり、洗濯したりできないため、長期間着用しても清潔で臭わないのが第1条件。微少重力、温度約18~27℃、相対湿度30~65%の環境下で、抗菌・滅菌性、防臭・消臭性、保温性、制電性に優れていることが求められる。運動着の場合は吸湿性、速乾性といった機能も重視。さらに、運動しやすいか、飛行士の衣服としてふさわしいデザインか、メーカーのマークは目立たないかなどデザイン、安全性、価格も含めて総合的に評価されたという。

 選ばれたのは、長袖・半袖シャツ、カーディガン、半ズボン、長ズボン、運動着上下、靴下の7アイテム。大手スポーツメーカーやインナーメーカーをはじめ、中小のニットメーカー、靴下メーカーなど各分野でこだわりの技術を持つ企業ばかりだ。今回は募集から締め切りまでの期間が短かったこともあり、もともと持っている技術を生かした特注品やすでに販売している製品が多い。しかし、宇宙船に搭載されたことで機能の高さが実証され、にわかに売れ始めた製品も登場している。

 次ページからは、そのアイテムを一つずつ紹介していく。