アップルが発表したタブレット型端末「iPad」は、既存の枠に収まらない、まったく新しいデバイスだ。サンフランシスコで開催されたスペシャルイベントに詰めかけた報道陣も、最初はiPadで何ができるのか、ただ大きなiPhoneなのではないのかと困惑気味だった。「いつものイベントより静かだった」と例年イベントに参加しているジャーナリストが漏らしたほどだ。

 アップルの製品の多くは、既存の枠に収まらない、ライフスタイル創造型のものだ。iPadも、最新トレンドをしっかり押さえた、いままであるようでなかった新しいデバイスと言える。iPadを現地で一足早く触ってきた感想をまとめたい。

サンフランシスコのヤーバ・ブエナ・ガーデンズ・センターで開催されたアップルのスペシャルイベント。世界中から多く報道陣が詰めかけた(画像クリックで拡大)

ちょっと重いけど、動作は軽快

 iPadの表側はiPhone/iPod touch、裏側はMacBookといった印象だ。表面はエッジトゥエッジデザインで、全面に透明な強化ガラスかアクリルパネルが使われている。ディスプレイは、LEDバックライトとiMacでも使われるIPSパネルを使った「プレミアムディスプレイ」。映り込みはそれほど気にならない。視野角も非常に広く、複数人で見る場合もきれいに見られそうだ。パソコンのように、いつも決まった角度からディスプレイを見るものではないので、視野角の広さにはこだわったのだろう。

 手に持ってみると少し重く感じた。iPadを左手に持ち、右手でカメラを持ってシャッターを切っていると、じわりじわり重さが響いてくる。重さはスペック上、3G通信モジュールのないモデルが680g、3G通信モジュール内蔵モデルが730gだ。ソニーの超軽量モバイルノート「VAIO Xシリーズ」(655g~765g)とほぼ同じ重さだ。決して重いわけではないが、片手で長時間持つのは厳しそうだ。紹介ビデオでもソファーや椅子に座って、太ももの上に置いて使っている。片手で長時間持つと落としてしまう危険もある。サードパーティーからはストラップ付きのケースが登場するかもしれない。

表面は巨大なiPhone/iPod touchだ。ホームボタンも画面下にレイアウトされている(画像クリックで拡大)

裏面はMacBookと同じアルミ素材。質感が高く、高級感がある(画像クリックで拡大)

 動作は非常に軽快だ。iPhone OSベースのOSは、起動が速くて、すぐにインターネットにアクセスできる。パソコンのように起動するまでの待ち時間がない。マルチタスクには対応していないが、その分、操作がシンプルで分かりやすい。パソコンが苦手な人でも使いこなせるだろう。

 軽快な動作を裏で支えているのが、自社設計した新チップ「Apple A4」だ。プロセッサーやグラフィックス、メモリーコントローラーをワンチップ化したもので、動作周波数は1GHz。iPhone 3GSの動作周波数は600MHzなので、よりパワフルになっている。

自社設計した「Apple A4」。次世代「iPhone」へも採用されるのか注目だ(画像クリックで拡大)