揺れと振動を両方抑えるダブルピストンショックアブソーバー

 ちなみにフーガは「インフィニティM」として世界中に輸出するが、サスペンションの仕様は全世界共通だという。その自信のほどがうかがえるし、実際、それだけの出来になっていると思う。

 サスペンションではもう一つ、370GT Type Sなどに採用の「ダブルピストンショックアブソーバー」も新機軸だ。従来の構造では両立が難しかった「フワフワ感の抑制」と「ビリビリした振動の遮断」を、高次元で両立することを目標に開発したもので、確かに基本的な乗り心地の改善には貢献している。しかし、“初物”だけにチューニングが詰め切れていないのか、状況によっては減衰力が強すぎてスムーズさに欠ける傾向も見られた。

 そう大きな問題ではないが、従来と同様にデュアルフローパスショックアブソーバーを採用する250GTが「ナイス!」と評価できるレベルなのに比べると、少し差が付いた印象が否めない。スポーツチューンドサスペンション採用で硬めのセッティングの370GT Type Sだけの問題なのかもしれないが、機構的なポテンシャルは高いのだから、さらなるチューニングの改善を期待したい。

新採用のダブルピストンショックアブソーバー(右はカットモデル)。スポーツチューンドサスペンション(370GT Type Sに標準)と、コンフォートサスペンション(370VIPと250GT Type Pに標準、一部グレードにオプション)装着車に採用(画像クリックで拡大)