公的保障だけでも年150万円の死亡保障。住宅ローンはゼロに

 例えば、大半の人が恩恵を受けられる公的保障は、死亡保障と医療保障のどちらの場合でも“活躍”する。死亡保障を例に取ると、40歳で夫が死亡した場合、妻は月額13万円程度、年額に換算すると約150万円を受け取れる(子供1人、夫は年収500万円の会社員、妻は専業主婦。以下同)。一方、医療保障でも公的保障の貢献度は高い。1カ月の治療費が100万円かかったとしても、本人3割負担の健康保険に加えて、高額療養費制度を活用することで毎月の自己負担は計9万円程度で済む。貯蓄がある程度あれば、決して払えない額ではない。

【死亡保障】

公的保障だけで月額十数万円?

遺族基礎年金

 被保険者が死亡したとき、その遺族に支払われるもの。18歳までの子供がいる家庭のみ給付対象となり、子供の人数によって額は変わる。例えば、子供が1人いる妻の場合、月額8万5000円(年額102万円)が給付される。また、子供が2人いる場合は、月額10万4000円程度(年額125万円程度)になる。ただし、被保険者の保険料納付済み期間と免除期間が、加入期間の3分の2以上であることが給付の条件(※)。

 

中高齢寡婦加算

 厚生年金保険に加入している会社員の夫が死亡したとき、妻が40歳以上65歳未満の場合に限り、月額5万円程度(年額60万円程度)が遺族厚生年金に上乗せされる。給付を受けられる期間は、遺族である妻が40歳から64歳までの間だが、18歳までの子供がいる場合に給付される遺族基礎年金の受給期間中は、対象外になる。共済組合にも同様の制度があり、厚生年金保険の場合と同じ条件で年金を受け取ることができる。

 

遺族厚生年金

 企業で働いている被保険者の遺族に支給されるもので、平均給与の額によってその額は変わる。年収500万円の夫が死亡した場合に受けられる給付額は、月額4万円程度。年間では約48万円になる。夫が死亡した時点で妻が30歳以上の場合は一生給付を受け取れるが、子供のいない30歳未満の妻の場合、5年間のみの受給となる。遺族基礎年金と同様、保険料納付済み期間(保険料の免除期間を含む)が、加入期間の3分の2以上であることが給付の条件になる(※)。

※ 死亡日に65歳未満であれば、死亡月を含む月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうち、保険料の滞納がない場合、受給できる

■40歳の夫が死亡した場合、当面の給付額は年間150万円程度

注)代理店トータス・ウィンズの研修ソフト「トータくん」の遺族年金シミュレーションを利用して編集部で試算、四捨五入したものを掲載。年収500万円の男性会社員が、同じ年齢の妻と30歳で結婚、すぐに第1子が誕生したと想定(死亡年齢が30歳男性の場合は25歳)。妻は専業主婦とした

【死亡保障】

万一のとき、住宅ローンはゼロになる

◯死亡見舞金
◯団信付きの住宅ローンなど

 過不足ない死亡保障額を考えるうえで忘れてはならないのが、勤務先の福利厚生や貯蓄。勤続年数や社内での資格などで額は変わるが、福利厚生として死亡退職金や弔慰金などを得られる場合がある。例えば、死亡見舞金で数百万円が出ることも。また、住宅ローンを契約している人なら、団体信用生命保険(団信)に加入しているはず。契約者が死亡した場合、ローン残額は保険金で清算される。死亡すればその人の出費が減ることも考慮するべきだ。

【医療保障】

どんな重病でも、医療費負担は月々10万円以下

◯高額療養費制度
◯傷病手当金など

 公的保障や福利厚生に着目すれば、医療保険で賄う保障額を大幅に減らせる。特に高額療養費制度は要チェック。健康保険加入者は医療費の3割を負担するのが原則だが、医療費が一定額を超えた場合、その一部が戻ってくるのだ。月収53万円未満の会社員の場合、1カ月に100万円の医療費がかかっても、実際の出費は約9万円で済む。残すは差額ベッド代程度で、貯蓄があれば保険は必須ではない。また、病気やけがの治療で連続4日以上勤務先を休むと、傷病手当も受け取れる。