東芝のフラッグシップ液晶テレビ「CELLレグザ」の全ぼうがついに明らかになった。CELLは9つのプロセッサコアを内蔵したマルチコアCPUで、その処理能力は従来のREGZAシリーズの高画質回路「メタブレイン」の143倍に匹敵するという。CELLのパワーは、どのように生かされているのか? 開発者へのインタビューを交えて、機能の“こだわり度”をチェックしていきたい。

新モデル「55X1」のほかに3Dや4K2K(3840×2160ドット)の超高解像モデルなども参考出展し、「CELLレグザ」一色で展開する「CEATEC JAPAN 2009」の東芝ブース(画像クリックで拡大)

2009年12月上旬発売予定の「CELLレグザ 55X1」。部分駆動LEDバックライト搭載の55V型ディスプレイ部と、チューナーユニット部「CELL BOX」とが別になったセパレートタイプを採用している(画像クリックで拡大)

 まず、REGZAシリーズのコンセプトリーダーである東芝デジタルメディアネットワーク社 映像マーケティング事業部映像グローバルマーケティング部TV担当 参事の本村裕史氏に、CELLレグザのコンセプトについて聞いてみよう。

REGZAシリーズのコンセプトリーダーである東芝デジタルメディアネットワーク社 映像マーケティング事業部映像グローバルマーケティング部TV担当 参事の本村裕史氏(左)と、AV評論家の増田和夫氏(画像クリックで拡大)

 「コストとリソースをふんだんにかけて理想のテレビを作りたい──そうした私たち開発者の夢を叶えたのがCELLレグザです。と同時に、お客様の夢を叶えた製品であると確信しています。採用した技術は最先端ですが、マニア向けの商品を作ったとは思っていません。私はREGZAシリーズのコンセプトリーダーとして、技術者の自己満足ではなく、一般ユーザーの目線に立った開発をしてきました。今回のCELLレグザの『タイムシフトマシン』録画などは、ヘビーユーザーの方々はもちろん、普通の生活者の方々にとっても夢の便利機能になると思っています」(本村氏)

 東芝の強みは半導体やソフトウエアに長けている点だが、機能の合理性やカスタマイズ性を追求するあまり、PCライクでマニアックな製品に陥りがちな傾向も感じられる。そうした難解さをフレンドリーさに変えられたのは、コンセプトリーダーである本村氏のバランス感覚と遊び心があってこそだろう。単なるシンボルとしてのハイエンド機ではなく、実際に使って便利なドリームマシンに仕上がっている、という印象だ。