本格的な夏の到来を前に、厚生労働省は「職場における熱中症予防対策」を改定した。この改定に伴い気象キャスターネットワークは7月9日、「気象予報士セミナー」を開催。元NHK気象キャスター村山貢司氏らが登場して新指針の周知を行った。熱中症予防の“新たな常識”とは、一体どのようなものなのだろうか。

 今や熱中症対策は、私たちにとって他人事ではないごく身近な問題である。しっかりと予防するために熱中症に関する正確な知識を身に付けておく必要があるだろう。同セミナーには、村山氏のほかに産業医科大学の堀江正知教授、桐蔭横浜大学の星秋夫教授が登場し、どういった環境下で熱中症が起こりやすいのか、どのような予防対策が有効なのか、などについて講演を行った。熱中症予防対策の新指針のほか、知っているようで実は知らない熱中症について、この機会におさらいをしておきたい。

 熱中症とは、主に高温多湿な環境での激しい労働や運動の影響で、体温を維持する機能が麻痺することにより発生する健康障害のこと。人間は通常、暑くなり汗をかくことなどによって体内の熱を放出する。しかし気温が体温近く上昇していたり、身体に水分や塩分が不足していたりして汗をかこうにもかけないという場合には、体温が急激に上昇し、熱けいれんや、めまい、頭痛、吐き気といった症状が起きることもあり、さらに重篤な場合には死に至るケースもある。