放送開始が秋になった理由とは?

 本作のタイトルは「W」。これには「2人で変身」のほかに、前後編で事件を解決していく「2話構成」の意味も込められている。さらに「11年目を迎える平成仮面ライダーシリーズに新たな“風(=Wind)”を吹かせるという意味も込めた」と、テレビ朝日のプロデューサー、梶淳氏は語る。「現在放送しているディケイドでは過去の仮面ライダーたちが登場する関係で、既に(内容の量的な)ボリュームはマックスになった。そこで本作では、2人で1人のライダーに変身するという演出で“質”での新しさを提供したいと思っている」(同氏)。

 気になるのは、本作のスタート時期だ。これまでの平成仮面ライダーシリーズは1月後半の放送スタートがほとんどで、1年間で終了していた。ところが、今回の『仮面ライダーW』は、9月にスタート(放映期間は約1年を予定)。この理由として挙げられるのがテレビ放送と劇場版をうまく連動させることだろう。従来の劇場版は、8月や9月に公開しており、ストーリーが進行中のテレビ放送と内容的にうまく連動することが難しかった。

 だが、テレビ放送を秋にスタートさせ、翌年秋に終了させれば、劇場版ではテレビ放送でのクライマックスや、その後のストーリーを描くことができる。今回の『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』のように、秋からの新番組に登場する仮面ライダーのお披露目としても活用できる。

 また、放送開始時期を遅らせることで、今まで戦隊シリーズとほぼ同時期だったライダーが使用するアイテムの商品展開時期をズラすことも可能になる。販促時期が重ならなければ、両方のアイテムを購入してもらえる状況を作りやすいはず。『仮面ライダーW』以降の平成仮面ライダーシリーズは、放送期間が秋から翌年秋までの1年間になる可能性は高いと考えていいだろう。

 新たなる10年へ向けて、進化し続ける平成仮面ライダーシリーズ。トップバッターの『仮面ライダーW』の反響に注目したい。

『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』
初代からのライダーが勢ぞろい。仮面ライダーWも登場する。8月8日公開
劇場版「ディケイド・シンケンジャー」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映 (C)2009 テレビ朝日・東映AG・東映(画像クリックで拡大)

(文/吉住夏樹=プレスラボ)