今年に入って以降、「新食感」や「果汁感」などをキーワードとした新しいタイプのガム商品が続々と発売されている。これまで「口臭予防」や「虫歯予防」をうたった商品の多かったガム市場。こうした新しい切り口を持つ商品が増えている背景には、どのような狙いがあるのだろうか。

独特の食感と手軽さ、CM効果でブレークした「フィッツ」

 20代をターゲットとした、ロッテのガム「Fit's(フィッツ)」。3月24日の発売からわずか4週間で、販売個数2000万個を記録した。これは、「1996年のキシリトールガム発売当初に近い売れ行き」(同社商品開発部の森若菜氏)という。生産が追いつかず、3商品のうち「ミックスベリー」を販売休止するほどの好調ぶりだ。

 同社では、「今の若い世代は柔らかい食べ物を好む」というリサーチ結果をもとに、食感が柔らかく、味が長続きするガムを開発。1枚を粒ガムと板ガムの間の量にしたのも、20代の若者がちょうどいいと感じられるものを追求した結果だという。

 また、従来のガムを持ち歩く際に気になるのが、バッグの中でバラバラになってしまうこと。そこでフィッツは、ガムの一つひとつを引っ張って取り出す独自の構造を採用。ガムを手軽に取り出せるようにすることで、コミュニケーションツールの一つにもなるようにした。

 同商品は主にコンビニや量販店、駅売店、ドラッグストアで展開。テレビCMやネット上でのアピールに力を入れている。「CMにはモデルの佐々木希さん、俳優の佐藤健さん、タレントの渡辺直美さんを起用し、どの世代も楽しめるものにした」(ロッテ・森氏)。また、オフィシャルサイト内でCMでの印象的なダンスの手順を公開し、動画共有サイト「You Tube」上でダンスコンテストも行った。購買層は当初ターゲットとしていた20代を含め、10代の小中学生も増えているという。

「フィッツ シトラスミックス」「フィッツ ペパーミント」(各12枚・130円前後)(画像クリックで拡大)

1960年代に放送されていたTVアニメ「狼少年ケン」のテーマの替え歌と奇妙なダンスが目を引くCM(画像クリックで拡大)