この記事は日経トレンディ5月号(4月発売)特集「『省エネ商品』のウソ・ホント」の一部を転載したものです。情報は基本的に発売時点のものになります。

 家庭の電気代の約4分の1はエアコンが占める。「消費者が購入時に重視する点の第1位が省エネ性能」(パナソニック)というだけあって、省エネ競争は熾烈だ。メーカーは熱交換器やコンプレッサーなどの効率化を競い、省エネ性を年々大きく向上させてきた。だが、「2000年以降、改善幅は小さくなっており、限界が近づいている」(三菱電機)。そこで各社が力を入れるのが、運転の無駄をなくすための技術だ。気流や湿度を制御して体感温度を向上させたり、自動清掃機能で性能悪化を防いだりと、さまざまな工夫で省エネ化を図っている。

 なかでも今、注目の技術が、三菱やパナソニックなどが搭載する人感センサーだ。人がいる場所だけでなく、人の活動量まで感知して冷やしすぎや暖めすぎを防ぐという。実際に三菱の実験室で消費電力を計測してみると、部屋に1人座った状態では、センサーを入れると消費電力が約40%も減少した。

 ところが、カタログや店頭の省エネラベルに記載されている年間消費電力量には、こうしたセンサーによる省エネ効果は加味されていない。カタログ値はJIS(日本工業規格)の測定方法で算出した数値で、センサーがオフの状態で計測しているのだ。そのためセンサー機能を持つ機種は、さらに省エネになる可能性があるといえる。ただし、部屋にいる人数が1人ならエリアを絞る効果は大きいが、複数人が離れた場所に点在すると部屋全体を空調するのとあまり変わらなくなるので、節電効果は小さくなる。

 こうしたセンサー付きモデルは確かに省エネ性が高く魅力的。だが、買い替える前に知っておきたいことがある。