アフターパーツメーカーの交換用マフラーは無くなるのか?

最近発売されたバイクは、マフラーの構造に工夫を凝らして消音性能を高めている。写真は2008年3月発売のホンダ「DN-01」(画像クリックで拡大)

 そして昨年の2008年末、新しい騒音規制が告示された。これはマフラーの構造を簡単には変更できないようにすることや、アフターパーツメーカーが作る交換用マフラーについても「加速走行騒音」を適用するといった内容が中心になっている。この新騒音規制は10年4月から、つまり来年の春から生産される二輪車(輸入車を含む)に対して適合される。四輪車も同様だ。

 先に挙げた騒音規制は新車認証時のもので、従来は、使用過程時(簡単に言えば車検時)には3種類の騒音のうち、「近接排気騒音」だけをクリアすればいいことになっていた(定常走行騒音も必要だが、これは近接排気騒音から導き出される)。それが新しい騒音規制では、使用過程時でも「加速走行騒音」をクリアしなければならないことになった。

 しかし「加速走行騒音」の測定には、ちゃんとしたコースや設備が必要になる。現在の車検場では、おいそれと計測できるものではない。そこで実際の運用では、新車時のマフラー構造を簡単には変えられないようにして、新車時の「加速走行騒音」をキープさせることで、使用過程時の騒音規制をクリアしたと見なすことになるようだ。また交換用マフラーについても、メーカー純正装着マフラーと同じように「加速走行騒音」をクリアしていれば、合法的に使用できる。

 と、言うのは簡単だが、実際にそういったマフラーを作るのはとても大変なことなのだ。加速騒音の「73dB(125cc以下は71dB)」という基準は非常に厳しく、先述したようにチェーンの油が切れて音が大きくなった程度の、ちょっとした整備不良でも超えてしまうレベルだ。マフラーメーカーによっては、適合をあきらめて違法マフラーを製造したり、交換用マフラーの製造そのものを止めてしまうのではないかと懸念されていた。もし違法マフラーが氾濫すれば、今よりもバイクの騒音問題はひどくなりかねない。

 そして、実際に告示された規制では、交換マフラーは「82dB(125cc以下は79dB)」以内とやや緩めの規制となった。これでどうやら、合法的な製品を作っていこうという意欲を持つアフターパーツメーカーが、生き残る可能性が見えてきた。

DN-01のマフラー。消音器部分が非常に大きいが、さらに内部にも消音機構を持つ(画像クリックで拡大)

DN-01のエキゾーストシステム。エンジン後部に大きな排気チャンバーを備え、ここでも消音を行っている(画像クリックで拡大)