馬力規制廃止で日本仕様も登場したが、厳しい騒音規制で性能はダウン

ホンダのスーパースポーツ「CBR1000RR」の日本仕様。最高出力は欧州仕様の178PSに対し、日本仕様は118PS(画像クリックで拡大)

 ホンダ系の大手販売店、桜井ホンダは通常の国内モデルはもちろん、一部逆輸入車も扱っている。「新しい規制は逆輸入車にとって非常に厳しいですね。なんとか車検を通してるショップもあると聞いていますが、ウチとしましては法規を守ったうえでバイクを楽しんでいただきたいと考えていますので、通すのが厳しい逆輸入車は、現在のところ扱いを控えています」。

 もちろんすべての逆輸入車が日本に入ってこないわけではないが、高性能なハイパフォーマンスモデルはかなりツライようだ。ドゥカティなど海外メーカーの輸入車も、日本仕様はかなり馬力を下げるなどの対策をして販売しているのが実状だ。

 バイクの馬力規制は2007年7月に廃止されたため、現在は日本仕様でも100PSを超えるモデルが販売できるようになった。ただし厳しい騒音規制のため、輸出仕様と同じ性能を発揮するのは難しい。二輪車メーカーの中でもホンダは以前から、馬力を下げて騒音規制をクリアした日本仕様モデルを用意している。例えばCBR1000RRの場合、最高出力は欧州仕様の178PSに対して日本仕様は118PSに低下している。

 ヤマハ発動機も09年3月にVMAXの国内仕様、09年4月にYZF-R1の国内仕様を発表した。VMAXは200PS→151PS、YZF-R1は182PS→145PSと輸出仕様よりも最高出力は下げられているものの、「乗りたくても買えない」という最悪の事態は避けられることになった。

 こう書くと「何も問題はないじゃないか」と思うかもしれない。しかしユーザーの心情としては、本来の性能を発揮する輸出仕様に乗りたいところだ。また、規模が小さい日本市場向けに専用モデルを開発するのはコスト的に厳しいためなのか、スズキやカワサキは人気モデルの日本仕様を製造していないため、乗りたければ逆輸入車を買うしかない。

 そして、二輪車の排出ガス・騒音規制の影響を受けるのは、逆輸入車だけではない。国内でロングセラーを続けてきたバイクが、次々と生産中止に追い込まれているのだ。

VMAXのマフラー部分。国内仕様(左、151PS)は日本の騒音規制に対応するため、マフラー出口を二重パイプにして、輸出仕様(右、200PS)よりも口径を小さくしている(画像クリックで拡大)