本記事は発売中の日経トレンディ4月号「即効&効率化 デジタルツール術」に掲載したインタビューの拡大版です。雑誌ではこういった“達人”インタビューに加えて、仕事に役立つ無料オンラインツールやICレコーダー、電子文具などの選び方と使い方を幅広く紹介しています。ぜひご覧下さい。

 吉越事務所代表の吉越浩一郎氏は、下着メーカーのトリンプ・インターナショナル・ジャパン社長時代に「残業禁止」に踏み切ったことで有名だ。同氏はやるべき仕事とそのデッドラインを管理するために書類整理術を駆使しており。08年刊行の著書『仕事が速くなるプロの整理術』(日経BP社)では、A4の紙をベースにした仕事効率化術を詳しく紹介している。

 この吉越氏が実は今、デッドライン管理を紙ベースからGmailに移行中。iPhoneとGmailを組み合わせた仕事術を実践している(以下のインタビュー内容は2月時点のもの。聞き手は荒井優=日経トレンディ)。

――吉越さんの著作『仕事が速くなるプロの整理術』のなかで印象的だった仕事術は、会議では、プリントしたメールの書類などA4の紙に手書きのコメントを描いて、そのままプロジェクターにかけて出席者に見せていた点でした。パソコンを使うことが多い場面でも、吉越さんは紙をベースにした仕事術を行っていたのですね。

吉越浩一郎氏(以下、吉越): パソコンに資料データが入っていた場合は、ファイルを開いて画面に出すまでに10秒や20秒かかるわけですが、会議の出席者が何十人待っているのにこうした時間がかかるのが我慢できない。またプレゼンの際も、ポインターか何かで重要箇所を指さなければならない。

 でも紙ならば「はい、これ」とパッと出せる。「これは何だ」と出席者に見せるときに、紙ならば目の前に置いてあるものは直接コメントも書けるし、書いたコメントがそのままプロジェクターで映せる。紙のほうが、よっぽど速い。

 でも今に、パソコンであっても、そういった手書きの良さを取り入れてくると思うんですよね。例えばiPhoneでも、今ではプレゼンテーションの内容を指でスライドして操作できるでしょう(※1)。絶対そうしたほうが速いんですよ。

 ところでiPhoneは、どのような入力方法で使っていますか?

――携帯電話と同じようなテンキーの入力ではなく、パソコン風のキーボードで入力しています。

吉越: 入力方法だって、日本人がもっといいものを開発すべきだと思いませんか? キーボードに代わるようなものをね。だけど僕は、ソニーがiPhoneみたいな製品を先に作ってほしかった。ソニーは許せないですね。(笑)

※記者注1)アップルのプレゼンテーションソフト「Keynote '09」では、iPhoneやiPod Touchをリモコンとして使え、指でスライドの操作ができる