この記事は日経トレンディ3月号(2月4日発売)特集「クレジットカード 最強のメイン&最強のサブ」の一部を転載したものです。情報は基本的に発売時点のものになります。

 クレジットカード業界が今、揺れている。法律の改正で今年からカードの“裏側”が大きく変わるからだ。

 近年、キャッシングや消費者金融の上限金利が引き下げられたのを機に、クレジットカードのポイント付与が“改悪”された。この要因である改正貸金業法が、来年6月までに完全施行される。ショッピングでの分割払いを対象とする割賦販売法も改正されて、今秋から段階的に施行される。

 2つの法改正は、カードや消費者金融などの利用限度額を規制するのがポイントだ。キャッシングでは今後、年収の3分の1を超える借り入れが不可能に。ショッピングでの分割払いも、年収から生活維持費などを引いた「支払可能見込額」をもとに、限度額が規制される。例えば年収約440万円(07年の日本人の平均年収)で4人世帯・持ち家なしの場合、キャッシングは約147万円、商品やカードの分割払いは約200万円以内に規制される。

 この法改正、「年収をもとに限度額を決めるのは今までと同じでは」と思いきや、カード会社にとってはルールが一変するような出来事だ。

【法律改正】分割払いやキャッシングの総額に規制

ショッピング枠   キャッシング枠
改正割賦販売法
(2010年中に完全施行)
  改正貸金業法
(2010年6月までに完全施行)
〈主なポイント〉   〈主なポイント〉
●カード入会、更新時に年収をベースとした支払可能見込額が調査されることになる
●カードの分割払い、リボ払い、ボーナス払いの利用限度額は「支払可能見込額×一定の割合」に制限される
  ●キャッシングや消費者金融での総借入額が年収の3分の1以内に制限
●多額の借り入れをしていると、年収を証明する書類(源泉徴収票など)の提出が必要に
●上限金利が最高20%まで引き下げられる

多重債務や悪質訪問販売などの社会問題を契機に、貸金業法や割賦販売法が改正された。どちらの法律も消費者への過剰な与信を防ぐため、借入額やクレジット債務の総額を年収に基づいて制限するのが特徴だ。クレジットカードではキャッシング枠(貸金業法)と、ショッピング枠の分割払い、リボ払い、ボーナス払い(割賦販売法)が規制される。なお1回払いは対象外だ

カード利用の“総限度額”はこう決まる

支払可能見込額 × 0.?(今後決まる一定の割合)
 年収440万円で4人世帯・持ち家なしの場合、支払可能見込額は440万円-240万円(生活維持費の目安)=200万円に。商品の分割払いなどの債務がある場合は、その年間支払見込額を差し引いた金額が、支払可能見込額となる。ここに一定の割合を掛けて出た金額(上の例で「0.8」と仮定した場合は160万円)が、クレジットカードでの分割払いやリボ払いの“総限度額”となる。

注)改正貸金業法で年収を証明する書類を提出する必要があるのは、1社で50万円超の限度額または借り入れがある、もしくは他社分も含めた総借入額が100万円超となる場合