米アカデミー賞で外国語映画賞の栄冠を射止めた『おくりびと』が今、公開以来最高のブームを呼び起こしている。劇場での再公開は観客動員が一気に伸び、原作本は売り切れ店が続出、映画に登場する車をモデルにした霊きゅう車の発売が発売され、話題になった。

オスカーを受賞した『おくりびと』の出演者と監督(画像クリックで拡大)

 奇跡が奇跡を呼んだ。失礼を承知で、あえて“奇跡”という言葉を使わせていただいたのは、『おくりびと』は授賞式以前の段階での下馬評は決して評価は高くなかったからだ。現地ロサンゼルスのメディアは、この受賞を“番狂わせ”と呼んだほどで、ノミネート作品5本の中では3、4番手あたりと見られていた。

 この“番狂わせ”の背景には、何があったのかを考えてみよう。