快適に過ごせることも人気の要因

 このように低価格運賃が魅力の高速ツアーバスだが、人気の理由はそれだけではない。その快適性が向上してきていることも理由の一つだ。先述した国土交通省のアンケート調査でも、「座席等のサービスが良い」との理由は、トップ回答の「安さ」には大きく及ばなが、12%の回答率で第2位に挙げられている。

 従来、都市間ツアーバスは、4列シートの観光バスが主流だった。トイレや洗面台、フットレストやレッグレストなどをほとんど装備していない、「スタンダード」と位置づけられた運賃の安いタイプだ。格安な反面、リクライニング角度の大きい3列独立シートを採用する高速バスに比べると、やはり快適性は低い。現在でもこのスタンダードタイプの車両は少なくないが、快適性を追求した車両が多く登場しているのが最近の傾向だ。スタンダードタイプから座席数を減らすことで、シートごとの前後の幅を広くとった「ゆったり4列シート」タイプや、シートの横の並びを3列にすることで座席の間隔やシート幅を大きくした「3列シート」タイプ、また、横並び3列のシートをそれぞれ独立させて設置した「独立3列シート」タイプなどだ。これらのタイプには、トイレやフットレスト、レッグレスト、レディースシートなどを設けた車両が増えている。シート幅やリクライニング角度などはバスの種類によって異なるが、目安としてスタンダードタイプではシート幅が約42cmでリクライニング角度は120度であるのに対し、独立3列シートタイプではシート幅が約62cmでリクライニング角度は約140度。こうした数字からも、快適性が向上していることがうかがえる。