2008年の東京ゲームショウにて先行発売されて話題となった、ハドソンの連射測定装置「シュウォッチ」。子供時代をファミコンで育った読者ならば、一度は目にしたことがあるであろうこのアイテム。1987年に発売され、瞬く間に子供たちの間に浸透し、その連射の腕を競わせ、鍛えさせてくれた「熱い」アイテムが、この12月18日に正式発売となった。今回の復刻は、予約を受け付けた後に発売中止がアナウンスされ、一部ではニュースとして取り上げられるという、異例の事態を経過しての発売となる。その発売までの紆余曲折を、ファミコン世代のカリスマにして、このシュウォッチの制作にも深く関わる、ハドソン宣伝部の高橋利幸“名人”に聞いた。

株式会社ハドソン
宣伝部・名人
高橋利幸氏
 1982年8月にハドソンに入社。1985年ごろよりハドソン主催のイベント「全国ファミコンキャラバン」で名人として活躍し、当時のファミコン少年たちのカリスマとなる。20年後の2005年に「名人」生誕20周年として、公式Webサイト「16SHOT」を開設。ハドソン宣伝部でゲーム関連の仕事をするかたわら、同Webサイトのブログなどで情報を発信し、ファンを喜ばせている。1959年5月23日、札幌生まれ。

20年の時を経て、2007年に復刻を企画

――このたび、復刻されて発売となるこの「シュウォッチ」という製品ですが、まずは1987年のファミコンブームの頃に発売されたときの様子からお聞かせください。

高橋名人:1986年ごろにハドソンがファミコンの『スターフォース』や『スターソルジャー』といったシューティングゲームを発売して、いわゆる「連射」ブームが起きていた頃ですね。その後発売した同じくファミコンの『迷宮組曲』というソフトに、連射測定機能をおまけとして入れてみたんです。それがすごく好評で、これをいつでも持ち歩いて測定できるようなものを作ったら面白いのではないかと考えて企画したのが最初でした。機能としては、ボタンを押した瞬間から10秒のカウントダウンが始まって、その間に何回ボタンを押したか記録が出るんです。それを10で割れば、1秒間に何回連射できたかがわかるという仕組みです。

 ただそれを単独のグッズとして発売するうえで、連射測定ができるだけではもったいないので、時計機能やシークレット機能などをつけて、持って歩いて楽しめるようにしたんです。発売日は1987年の1月1日でした。

――当時発売されてどのくらい売れたんですか?

高橋名人:シュウォッチは全部で3種類出ていまして、累計では100万ぐらい。今回復刻したものと同じ初代のタイプは60万個ぐらい売れたと記憶しています。

――今回の復刻のお話が出たのはいつ頃だったんですか?

高橋名人:2005年頃に「16SHOT」という、私のホームページができまして、そこで何か昔のアイテムを作ろうという構想があったんです。Wii用のジョイスティックを作ろうとか、いろいろなアイデアが出る中、内部でもシュウォッチが一番欲しいだろうということになって、2007年は発売からちょうど20周年ということもあって、制作が決まったんです。

名人の当時シュウォッチでの記録は167だとか。あくまで指先を使った「叩き」スタイルでの連射での記録だ。公式ページの「16SHOT」の由来はもちろん「16連射」から(画像クリックで拡大)

――それをWebサイト限定で発売したんですね。

高橋名人:数量限定で販売ということで、2007年の夏に申し込みを受け付けました。16連射にかけて1600円で、送料無料で、1万個を用意しました。実際に開始してみると、3日もちませんでしたね(笑)。サーバーがパンクしちゃいました。