大掛かりな番組が作れない時代でも

 最初の質問は「最近身の回りで感じた面白いこととは?」。

 すると合田氏は「科学者が集まって手作りのロケットを飛ばすというイギリスの番組。1年以上かけた大掛かりなプロジェクトだったのに、結果は発射後すぐに落下。それを見て科学者がショックを受けるという結末だったのだけれど、それを見て自分たちも負けてられないなぁと思った」という。結末はどうであれ、作り手の意気込みが感じられるというのだ。しかし日本では現実問題としてなかなか大掛かりな企画は通らない。

 合田氏によれば、海外では巨額を投じた大掛かりな企画から制作した映像でも海外マーケットに素材として販売することで、コストを回収するシステムができているという。基本的に広告収入に頼らざるを得ない日本のテレビ業界とは大きな違いがあると話す。

 「今はみんながテレビを見ない時代だから、当然そこにお金を投下する企業も少なくなってきている。日本ではそんな資金不足の中、ますます大掛かりな企画が通せないという悪循環が起こっている。そうは言っても、お金がない中でも今やらなくてはならない。予算(の限度)はどんな仕事にもあるものだし、(巨額を投資できた)昔のテレビが異常だっただけ。お金がないからと言ってテレビの文化レベルを落とすのは甘えで、お金がなくても文化は作れる」とも(合田氏)。

バラエティ番組DVD化の意味と行く先

 続いて、バラエティ番組のDVD化の話題へ。伊藤氏が手掛けた『やりすぎコージー』のDVDは35万本のセールスを記録した。

 伊藤氏は「社内での評価もかなり変わった」と笑顔を見せた。これを受けて合田氏は「過去には『ダウンタウンのごっつええ感じ』のビデオが100万本売れた。つまり、昔から視聴者は文化価値の高いものは手元に置いておきたいと思うもの。昔はビデオ販売で得る利益はテレビ局にとってボーナスに過ぎなかったが、今はそれ(=DVD化)を一つのビジネスとして考えていくべき」と話し、伊藤氏の『やりすぎコージー』や、同じくDVD販売の実績でシリーズ100万本超のヒットを記録したフジテレビ『人志松本のすべらない話』などを高く評価した。

 これに対して伊藤氏は「今のように、なんでもかんでもDVD化して番組を“二次利用”しようとする流れは、すぐ終わると思う」と、早くもバラエティDVD市場の限界を指摘する。「“もう一度見る必要性を感じる内容か”“見逃しやすい放送時間であったか”など、すべての要素を考えて、DVD化する番組とそうではない番組をはっきりと分けることが重要」(伊藤氏)と、持論を展開した。