機能面での大きな変化は、液晶モニターをファインダー代わりにして撮影するライブビューの搭載と、これを応用したと思われる動画撮影機能「Dムービー」だ。デジタル一眼レフカメラでの動画撮影機能は、このD90が世界初となる。

 ライブビューへの切り替えは、背面の専用ボタンを一押しするだけでできるようになった。同社の他の機種に比べても、手軽かつ分かりやすくこの機能を使える。

ライブビューでは、AF時のミラー戻しがないコントラストAFを採用する。画面の消失や騒音がないのがメリットだが、通常の位相差AFと比べると速度は遅い。なお、ライブビュー中は拡大表示も行える(右)(画像クリックで拡大)

 ライブビュー時のAF(オートフォーカス)はコントラストAFに限られており、顔認識AFやワイドエリアAF、ノーマルエリアAFの3種類から選択できる。今回借用した試作機では、合焦までにちょっと時間がかかるように感じられたのが気がかりだ。

 Dムービーは、ライブビューモードにしたうえで、マルチセレクターの中心にあるOKボタンを押すと撮影が始まる(シャッターボタンを押すと、普通の静止画撮影が行われる)。操作も分かりやすく、最大で720p相当(1280×720ドット)/24fpsでの撮影が可能。一般的なビデオカメラよりも撮像素子が大きいため、ボケを生かすなどの独特な表現が期待できる。また、魚眼レンズなどの特徴あるレンズと組み合わせても、おもしろい動画が撮れそうだ。

現時点ではD90のみとなる、デジタル一眼レフ初の動画撮影機能「Dムービー」を搭載。撮影中はオートフォーカスが効かないなどの制約はあるが、使うレンズによってはこれまでにない動画が撮れそうだ。動画のサイズは、最大で720p(1280×720ドット)まで対応する(画像クリックで拡大)

 本体にはHDMI端子を備えており、対応するハイビジョンテレビでの再生もできる。音声は、カメラの前面に設けられたマイクで収録するのだが、記録できるのはモノラルのみ。外部マイク端子は用意されていない。

 D80は、同社の他のデジタル一眼レフカメラと比べても、かなり彩度が高く感じられる独特な濃い発色だった。D90は、ニコン独自の画像処理の思想やノウハウ、技術を包括したコンセプト「EXPEED」を採用していることもあり、他機種と比べても色合いが大きく変わることはなさそうだ。

 撮像素子は、DXフォーマットと呼ばれるAPS-CサイズのCMOSセンサーで、有効画素数は1230万画素とD300と同じスペックだ。上位機種と同等の画質が期待できる手ごろな価格の中堅機種として、画質評価が可能なモデルで早くその実力を確かめてみたいところだ。

筆者

星 智徳(ほし とものり)

◇日本ハンドボールリーグ初戦の試合取材で、先日またもや沖縄へ。やっぱり屋内スポーツを撮るにはD3が最強だと実感。9月だというのにジットリと暑く、汗だくになってしまいました。