前編では日本のケータイ文化、中編ではスマートフォン機能について比較してきたこの連載だが、最後となるこの後編では音楽や動画、アプリなどのコンテンツ関連機能について紹介する。まずは、音楽・動画機能について見ていこう。

●対象層の異なる音楽配信サービス、発展途上の動画配信サービス

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こだわり派のiPhone、流行に強い着うたフル

 iPhoneが大きく注目される要因として、携帯音楽プレーヤーでトップシェアを誇るiPod+iTunesという楽曲管理システムを外すことはできない。 iPhoneもiPodと同様に、iTunesで音楽CDやHDDから取り込 んだAACやmp3の楽曲ファイル、iTunes Storeで購入した高音質な楽曲を簡単に管理でき、USBケーブルでiPhoneを充電しながらの高速データ転送が可能だ。もちろん、PIM情報なども同時に転送できる。スマートフォンとしても音楽プレーヤーとしても、非常に利便性の高いシステムを実装している。

iPodでおなじみのiTunes。楽曲などコンテンツの管理・購入からiPhone、iPodへの高速転送までをスムーズにこなす(画像クリックで拡大)

PCやMacとiPhone、iPodをUSBケーブルで接続すれば、コンテンツの同期と同時に充電も行われる(画像クリックで拡大)

 では、iPhoneと日本の着うたフルに対応した携帯電話とではどこが違うのだろうか。先に結論を述べるが、この2つは端末の仕様や音楽配信システム、配信するコンテンツの内容が根本的に異なっており、直接的には比べにくい。普段どのような音楽を楽しんでいるか、PCやMacがどこまで生活に入り込んでいるかなど、個人のライフスタイルによって評価が大きく異なる、すみ分けられたサービスだからだ。

 着うたフルの特徴は購入サイトに最新の邦楽が充実しており、いつでもどこでも携帯電話で直接購入できる利便性にある。その一方で、購入楽曲の音質が低く、持っているCD楽曲をPCから携帯電話へ転送しづらい。邦楽を中心とした話題の楽曲を気軽に楽しみたい層、PCやMacを日常的に利用しているわけではない層向けのサービスといえる。

 一方のiPhoneだが、前述のとおりPCやMacで高音質なCD楽曲をスムーズに転送できるほか、iTunes Storeでの購入楽曲も高音質だ。音楽だけでなく、ネットラジオやPodcastも 快適に利用できる。しかし、最新の邦楽はあまり充実しておらず、 iPhoneで直接楽曲を購入するにも無線LANエリア内のみという制限がある。iPhoneは流行よりも、気に入った楽曲やこれまで購入してきた手持ちのCD楽曲をPCやMacで管理し、まるごと持ち歩きたい、高音質で楽しみたいといった、音楽ライフに拘を持つ人向けのサービスといえよう。

iTunes Storeでは、AAC128kbpsの楽曲を1曲あたり200円前後で販売。PCやMacのiTunes、もしくは無線エリア内のiPhoneなどから楽曲を購入できる。EMIなどの提供するiTunes Plus楽曲はAAC256kbpsと高音質な上、DRM無しなのでiPodやiPhone以外の機器でも気軽に再生できる

着うたフルではHE-AAC64kbpsの楽曲を一曲315円前後で販売。最新曲では420円となる場合も。iPhoneと違って、携帯電話エリア内ならいつでもどこでも購入できるのが便利。着うたフル先行配信や限定曲の配信といった企画も多い(画像クリックで拡大)

 WindowsMobileも音楽再生に対応するが、楽曲の転送や購入には必ずPCが必要だ。音楽再生時間もiPhoneや日本の携帯電話が20時間以上再生に対応しているのと比べ、10時間程度と短い。カスタマイズでさまざまな音楽ファイルの再生に対応するなど汎用性は高いのだが、携帯音楽プレーヤーとして日常的に使うには向いてない。