「30万プラスアルファの発行部数でしたが、かなり好調なスタートを切れたと思います。特にコンビニでは完売店もたくさん出るなど、大変いい成績だと思います。2号目(5月4日発売)も創刊号とほぼ同じ部数で行くことになりました」(同編集長)と、好調な出足を語った。しかも、実売部数という数字以上に確かな手応えを感じたのは、読者アンケートハガキだという。

 「我々が狙っていた11歳から15歳という子供たちを中心読者としてきちんと取れたということです。この層は、講談社のコミックが今までなかなか攻略できなかった年代なので、ここを取り込めたのは意義深いと思います。感想も“少年ライバル、面白い!”と共感してくれるものがほとんどでした」(同編集長)。ちなみに、読者ハガキの集計では、15歳以下の満足度調査で合計95%が「大変満足」「だいたい満足」という回答になった。

3号連続の「モンハン」関連企画で連続購買を牽引

 連載の目玉は、創刊号の表紙にも登場している『モンスターハンター オラージュ』(真島ヒロ)。「モンスターハンター」といえば、カプコンの大ヒットゲームで、恐竜のように巨大なモンスターたちの狩りを楽しむ人気ゲーム。2007年2月に発売されたPSP版『モンスターハンターポータブル 2nd』は累計150万本の売り上げを誇る、それこそ“モンスターな売れ行き”のゲームで、ターゲット的にもちょうどライバル読者と同じ年代。その最新作「モンスターハンターポータブル 2nd G」の発売(2008年3月27日)と、創刊号の発売(同4月4日)が並ぶという抜群のタイミングで効果をあげた。作者の真島ヒロもこのゲームの大ファンらしく「誰よりも熱狂的に(モンハンを)愛する真島ヒロ先生が、ぜひ描きたいと意気込んで実現した」(同編集長)そうだ。

 戦略的には、創刊号から3号連続で「モンスターハンター」に関連する企画を前面に打ち出している。ゲーム中で成功報酬としてもらえるコインを、3号連続付録にして、連続購買を牽引する。また、挟み込みの「モンスターハンターヒストリー大全」という小冊子を、上下巻で2号にわたって添付。さらに少年ライバル限定「モンスターハンター」のトレーディングカードゲーム、書き下ろし特大ポスター、ゲーム関連記事も掲載という充実ぶりだ。5月4日発売の創刊2号には、ゲームの全シリーズのオープニング映像と、漫画とゲームを合成したコラボ映像まで収録した「コンプリートDVD」が付録という大盤振る舞い。

 野内編集長によると、「人気アンケートの結果もやはり(「モンスターハンター オラージュ」が)トップでした。ほかには、(トビラページを)カラーで掲載した作品が予想通り人気が高かったようです」。具体的には

『ブレイザードライブ』(岸本聖史)
『弟キャッチャー俺ピッチャーで!』(兎中信志)
『絶対博士コーリッシュ』(小林ゆき)
『ホーリートーカー』(綾峰欄人)
『ほんとにあった!霊媒先生』(松本ひで吉)

などの作品だ。

 『ホーリートーカー』は、悪魔を宿した少年と聖母の血を引く少女の物語を見事な筆致で描いた。作者の綾峰欄人(あやみねらんど)は、週刊少年マガジンで連載していた『Get Backers』が人気だった実力派。コミックス1巻あたり40万部も売れる、熱心なファンが多数ついている作家だ。その連載終了後、1年目の登場でファンも喜んでいる。

 『ブレイザードライブ』の岸本聖史は、少年ジャンプで『NARUTO』を連載する岸本斉史の双子の弟で、絵柄は異なるが壮大なストーリーが期待できる。

 大健闘したのは4コマギャグの『ほんとにあった!霊媒先生』。この作品は新人賞からのいきなりの抜擢にもかかわらず、大人気だったという。また、ちょっと変わったテーマの『エンマ』(原作:土屋計、画:ののやまさき)、『アンカサンドラ』(原作:斐文士吾朗、画:天道グミ)なども評判が良かった。

 特別読み切りも豪華だ。創刊号には『はじめの一歩』(森川ジョージ)の番外編として、一歩と日本チャンピオンを争った一番人気のライバルキャラ・千堂武士の中学時代の物語が掲載されている。創刊2号には、『イニシャルD』(しげの秀一)番外編として、主人公・藤原拓海の中学時代の物語が掲載され、同作品の往年の大人ファンも要注目となっている。また、創刊号応援企画として、同社の青年漫画誌「イブニング」に連載中の『もやしもん』が出張カラー掲載されているのも面白い。

熱く厚く、さらなる認知と人気を広げたい

 これらの企画を全部掲載する本誌は、月刊誌の中でも例を見ない総ページ数1012というボリュームとなった。あまりの厚さに、社会人からはカバンに入らないという注文もあったようだが、メインターゲットの少年層からは「あの厚さがうれしい」と歓迎されているという。「厚さの挑戦については、今後もできるだけ、分厚さを特徴にしていきたいと思っています。さすがに創刊号よりは少しだけ減りますが、2号目も充分厚く重い本になっています」(同編集長)。

 編集長の悩みは厚さの維持とは別にある。それが、コミックボンボンの後継誌ではないことを周知させたいということ。この点は、再三強調してきたが、「ボンボン休刊のニュースと同時に少年ライバル創刊のニュースが流れたせいで、誤解している人が多い」(同編集長)と、その誤った情報の払拭に気を配る。講談社内での位置付けは「月刊マガジン」、「週刊少年マガジン」の下の年代を対象とする“弟漫画誌”で、小学生が対象だったボンボンとは、版型も、漫画の作りも、絵柄も異なる。この設定の裏には、実はマガジンの読者には高校生以上の大人が多く、中学生読者は1割程度というデータがあったのだ。余談だが、マガジン・サンデー50周年コラボ企画の「金田一・コナン増刊」を少年ライバルだと思っている人もいたそうで、今後の課題は、認知と定着にあるといえる。

 野内編集長は「少年漫画の王道、基本に立ち返り、変に小難しくない分かりやすい漫画作りを心がけました」とし、少年ジャンプだけではなく、「ケータイやネットなどすべてのエンタテインメントやメディアがライバル」と設定して、少年漫画に新しい活力を注入し、漫画の面白さを子供たちに届けたいと意気込む。親世代も、少年・少女時代の気持ちに戻って、“厚くて熱い”少年ライバルをチェックしてはいかがだろうか。

(文/波多野絵理)

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