PSP(プレイステーションポータブル)専用ゲームソフト「モンスターハンターポータブル 2nd G」が、3月27日に発売され、わずか2週間足らずで出荷本数150万本を突破した。1年前に発売された前作「モンスターハンターポータブル 2nd」の170万本を追い抜くのも時間の問題となりそうだ(ちなみに、前作は発売後13日目で100万本を出荷)。

 発売前日には、大型家電ショップに徹夜組が現れ、発売直後には4800円の商品が3倍あまりの値段でネットオークションに出品された。秋葉原には「モンハン(モンスターハンターの略)難民」と呼ばれるソフトを入手できなかった者たちがゲームショップを転々とし、手に入れた者たちの中には喫茶店や路上のベンチに座ると同時に猛然とPSPにソフトを差し込んで、仲間たちと一緒に“狩り”に繰り出す光景も見られた。

「モンスターハンターポータブル 2nd G」(カプコン/希望小売価格4800円)(画像クリックで拡大)

 このゲームの特徴は、まさにモンスターを狩ることにある。正義がどうとか世界の平和を守るといった重苦しいテーマは一切なく、プレーヤーは村に雇われたハンターとして、ワナを仕掛けたり友だちと協力したりしながら凶悪なモンスターに立ち向かうのだ。

 もともと、このシリーズは2004年にプレイステーション2専用ソフトとして発売された。当初からこれほど騒がれていたわけではなく、口コミなどにより徐々に売り上げを伸ばしていった。しかし、今作のようにミリオンを超すようなセールスを記録したわけではなく、30万本程度の売り上げだった。

 その後、パソコンや携帯アプリなどへも進出。その中でもっともヒットしたのが、PSPの「モンスターハンターポータブルシリーズ」だった。現在までに3作品が発売され、すべて100万本を突破(第1作については廉価版を含めての数字)している。

08年のハードの売り上げはPSPがDSを上回る

 2004年12月2日にニンテンドーDS(以下DS)が発売になり、PSPはその10日後に発売された。携帯ゲーム機の覇権を賭けて、任天堂とソニーは文字通り激突した。あれから3年と4カ月が過ぎた今、DSとPSPの販売総数を比較すると、2222万2000台(DS+DS Lite)対868万7000台と、任天堂の圧勝である。対応ソフトについても、DSの場合、勝敗を決定づけることになった2005~2006年の間に、実に16タイトルものミリオンヒット作を世に送り出した。

 しかし、2008年に限ってDSとPSPの販売台数を比較してみると、DSの111万6000台に対し、PSPは115万2000台。ここへ来て、ついにPSPの売り上げがDSを上回った。もちろん、DSはほとんどの人に行き渡ったという見方もできるが、PSP逆転の起爆剤となったのが、「モンスターハンターポータブル 2nd G」の存在であることは言うまでもない。

 「モンスターハンターポータブル 2nd G」がヒットした大きな要因の一つに、PSPとの相性の良さが挙げられる。移動にアナログスティックを用いる感覚はプレイステーションからの流れを汲んでいてなじみやすいし、何より画面解像度においてDSを遥かに上回るので、よりリアルな世界観をプレーヤーに伝えることができる。また、11種類もの武器をDSのタッチペンで操ることは難しく、何より画面が壊れることを気にしながら、ちょんちょんペンで突くのでは臨場感に欠けるというものだ。もし「モンスターハンターポータブル 2nd G」がDSで発売されていたら、ここまでの好評価は得られなかったのではないだろうか。

 2008年の販売台数において、現在のところDSを上回っているPSPが、今いちばん大事なのは、「モンスターハンターポータブル 2nd G」に続くソフトである。DSでは、「脳を鍛える大人のDSトレーニング」や「おいでよ どうぶつの森」などに代表される、タッチペンと2画面液晶という特徴を最大限に生かしたソフトがこれまでも数多く発売されており、ミリオンを達成したゲームは既に21タイトルもある。一方、PSP用ソフト全タイトルの中で、ミリオンを達成したのは実はモンスターハンターシリーズだけだ。

 PSPの好調が一過性の現象で終わるかどうかが注目だが、もちろん、DSも黙ってはいない。発売されれば最大のキラーソフトになるであろう「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」は、年内の発売を予定している。

(文/なかやまたけし)

(注)ゲーム機の販売台数はエンターブレイン調べ。集計期間:2008年販売台数は2007年12月31日~2008年4月6日時点。累計販売台数は各発売日~2008年4月6日時点。