「BDZ-A70」はソニーが2008年4月8日に発表した最新BDレコーダーである。その製品キャラクターは明快で、PSP(プレイステーション・ポータブル)や新型ウォークマンと連携して“録画映像をアウトドアに持ち出せる”モバイル対応のレコーダーというユニークなモデルに仕上がっている。6月2日にスタートする「ダビング10」(※)を生かせるBDレコーダーとして、いち早く名乗りを上げた本機のメリットとは何か。どう使いこなせるのか。どんなユーザーにお薦めなのか──? ディープな視点でチェックしてみよう。

※ダビング10……従来のデジタル放送に用いられていた「コピーワンス」を緩和したもので、最大10回までコピー(最後は元データが消えて「ムーブ」となる)できるという著作権保護の仕組み。詳しくは「<増田和夫が迫る>テレビ録画界の“憲法改正”! 『ダビング10』で録画ライフはこう変わる」を参照のこと。

ソニーが2008年4月8日に発表したBDレコーダー「BDZ-A70」(写真のウォークマン、USBクレードルは別売り)(画像クリックで拡大)

モバイル活用がダビング10のメリット

 レコーダーが「ダビング10」に移行するメリットは、従来のコピーワンスから「コピー9回+ムーブ1回」が可能になり、録画したコンテンツを取り扱う自由度が増すことだ。といっても、1人のユーザーが10枚のコピーディスクを抱えていてもあまり意味がないだろう。ダビング10の利便性は、録画コンテンツをモバイル機器にコピーしてアウトドアで視聴しやすくなったり、さらに複数のモバイル機器で1つのコンテンツを共有できる点にあると思う。こうしたモバイル利用がダビング10対応機器のトレンドになると予想できる。

ソニーが2005年11月に発売した「スゴ録 RDR-AX75」。このモデルからPSPへの「おでかけ・おかえり転送」を搭載した(画像クリックで拡大)

 ソニーのレコーダーは早くからモバイル対応を図っていて、2005年のDVDモデル「RDR-AX75」から、PSPへの「おでかけ転送」「おかえり転送」(※)を実現している。今回はPSPのほか新たにウォークマン最新モデルにも対応するなど、自社で対応モバイル機器を用意できる点も大きな強みといえる。

※おでかけ・おかえり転送……デジタル放送の録画と同時に「おでかけデータ」を生成し、これをPSPに「おでかけ転送」することでモバイル視聴を可能にするという機能。コピーワンスのルールを守るため、お出かけ中はレコーダー内の録画データにはカギがかけられて視聴できない。「おかえり転送」を行うとPSP内の番組データが消去され、レコーダー内の録画データはカギが外されて視聴可能になる。

BDZ-A70の「おでかけ・おかえり転送」画面(画像クリックで拡大)

 こうしたモバイル対応を、ダビング10という“追い風”を利用してさらに進化させたのがBDZ-A70だ。本機はダビング10をモバイルに本格活用した初のレコーダーであり、映像を持ち出すためのノウハウを満載している。ダビング10をモバイルで生かすという発想自体は当然の流れとも言えるが、ダビング10の開始と同時に、いち早くここまで出来るのは、やはり同社のレコーダーならではだろう。