インテルは2008年4月2日、小型デバイス向けのプロセッサー「Atom」の5製品と「Centrino Atomプロセッサー・テクノロジー」(以下、Centrino Atom)の概要を公開した。

 Atomは、開発コード名「Silverthorne」と呼ばれていたもの。既存のノートPCよりも小型の「ウルトラモバイルPC(UMPC)」や「モバイル・インターネット・デバイス(MID)」向けのCPUで、小型で低消費電力なのが特徴だ。インテルによると、Atomは同社で最も消費電力の低いプロセッサーで、3W以下の市場セグメントで最速のプロセッサーだという。Atomを採用した製品は、今夏から出荷が始まる予定。Centrino Atomは、Atomプロセッサーとチップセット(開発コード名Poulsbo)を組み合わせたプラットフォームになる。

Atomプロセッサーのダイサイズは13mm×14mmとインテルで最小のプロセッサー。チップセットも22mm×22mmと非常にコンパクトなパッケージとなっている(画像クリックで拡大)

Atomプロセッサーとチップセット(画像クリックで拡大)

 同日、東京都内で記者発表会を開き、同社の代表取締役共同社長の吉田和正氏と技術部長の土岐英秋氏がAtomの狙いや製品概要を説明した。

 まず、吉田氏が日本のインターネット利用人口や公衆無線LANなどのアクセスポイント、利用時間、コンテンツが拡大していることを指摘し、「モバイルインターネット端末のプラットフォームの潜在的需要は大きい。それに応えられるのがインテルのCentrino Atom」と語った。Centrino Atomを採用したデバイスの一番の特徴は、パソコンと同じようにインターネットが利用できること。吉田氏は「フルインターネットエクスペリエンス・イン・ポケット」と述べ、自宅や会社で見るWebページをポケットに入る大きさのデバイスで見られるのがCentrino Atomを採用したMIDであるとした。今までにない新しい利用形態、サイズ、スタイルが可能になるとして、「新しい世界を築き上げていきたい」と新プラットフォームに意欲を見せた。

 Atomプロセッサーは、グランドアップでゼロから設計された全く新しいプロセッサーだ。今回発表されたものは5製品ある。25mm2以下のダイサイズで、最新のCore 2 Duoと同じ45nmプロセステクノロジーを採用。TDPは0.65~2.4W、平均電力は160~220mW、アイドル時で80~100mWとなっている。FSBは533MHzまたは400MHz。Core 2 Duoの命令セットとの互換性を維持しており、SSE3、SSSE3をサポートする。

 土岐氏によると、性能を1%高めると消費電力が3%上がるのが業界の常識で、インテルでも1%性能を高めると2%ほど消費電力が上がっていた。それをAtomでは1%の性能向上に伴う消費電力の増加を1%に抑えたことで、高性能と低消費電力の両立を実現したという。

 チップセットはノースブリッジとサウスブリッジを1チップに統合したもので、HDビデオの再生をサポートするほどのグラフィックス機能を内蔵する。Direct X9、OpenGLなどもサポートするという。PCI-Express x1を2ポート、SDIO/MMCを3ポートなどのI/Oを備え、PCとの互換性を確保した。