感動に値する操作感。ただし使い勝手は「?」な面も

 今回のテストで持ち込んだのはSDメモリーを使うコンパクトデジタルカメラ「LUMIX FX7」と、コンパクトフラッシュ(CF)を使う一眼レフカメラ「EOS Kiss Digital X」の2つ。EOS Kiss Digital Xでは、CF-SDアダプターを使って試してみたところ、こちらでも写真はしっかりと転送できた。ただし、EOS Kiss Digital Xで使った時の方が、若干転送が始まるまでが遅いような印象を受けた。これはただ単に、データサイズが大きいからなのか、それともCFアダプターを介しているので不安定になったのかどうかは分からなかった。

 実際に使ってみての感想だが、これはちょっと感動する。本当に写真が次から次へと転送されていくのだ。ケーブルも無しに! Picasaだろうとflickrだろうと転送してアルバムを作ってくれるし、パソコンへの転送では、その日の日付が入ったフォルダが自動的に生成され、整理してくれる。これは面白い。

 残念ながら、使い勝手については若干良くない部分があった。それは最初の想像していたのが、デジカメで撮った写真がその場でどんどんアップロードされていくというのものだったからかもしれない。いや、その想像自体は間違ってはいなかったのだが、最初に設定をするという手間を考えていなかったのだ。

 いったんWEPキーなどの設定をしてから使えるようになるため、例えば友人の家に遊びに行ってその場で写真を撮り始めると、その場ですぐにアップロードというわけにはいかない。まず登録作業が必要になる。またこの登録作業があるため、Webブラウザーで認証してから使えるようになる公衆無線LANは、利用できないのが残念なところだ。

 また、通信速度が若干遅い気がする。その遅さが、使い勝手の悪さにもつながっている。なぜならデータを転送している間はデジカメの電源を入れっぱなしにしておかなければならないからだ。たいていのデジカメにはバッテリーの消耗をおさえるため、一定時間操作しなかったら自動的にパワーオフされる機能が搭載されていると思うが、Eye-Fi Cardを使う時にはパワーオフ機能を切って、しばらく電源を入れっぱなしにしておかなければならない。

 冷静に考えてみれば、1枚の画像データが3MBとか4MBになるので、それだけのデータを送るのに時間がかかるのも当たり前と言えば当たり前。だが、USB2.0などでパソコンに転送する速度に慣れているので、特に遅いと感じてしまった。この辺はインターネット回線速度の問題もあるのかもしれない。

 ちなみに無線LAN環境が無いところで写真を撮った場合、登録した無線LANの電波が入るところで電源をオンにすると、自動的に転送を開始してくれる。また、転送の途中でデジカメの電源を落としても、再び電源を入れれば転送を再開してくれる。さらには付属のUSB Card ReaderにEye-Fi Cardを差し込むと、パソコン経由でもデータを転送してくれる。

 一度、筆者の操作が悪かったのか、それともいつものクセでデジカメの電源を切ってしまったのか、はたまたCFアダプターにしっかりとささっていなかったのか、途中で「このカードは正しくありません」のようなエラーが出て、デジカメ上で認識されないということがあった。仕方なくフォーマットをしたのだが、これで無線LANのデータなども全部飛んでしまったか! と青くなった。が、付属のUSB Card Readerに差してEye-Fi Managerを起動させてみると、中のソフトを復活させることができた。この仕組みは実にいい。筆者のようなうっかり者で、物を壊しがちな人にも安心して使えるのはありがたい。ただし、復活できるのはEye-Fi Cardの設定などの部分だけで、インストールするEye-Fi Manager部分(Start hereフォルダ)は復活できないので注意したい。

 というわけで、使い勝手的については若干微妙な部分はあるが、十分に実用的と感じた。早く日本で使えるようにならないかと思う。Lexar社がライセンスを取得したというニュースもあったことだし、一刻も早い日本上陸を望んでいる。

(文/杉村 啓)

※本記事は2008年2月4日に公開したものです。