オートフォーカスは、51点のフォーカスポイントを持っており、中央部の15点がより精度の高いクロスタイプとなっている。このあたりはD3と共通だ。FXフォーマットより画角が狭い分、フォーカスポイントが広い範囲をカバーしており、画面の大半を覆っているという印象だ。オートフォーカスを使って撮影する場合の構図の自由度は、D3よりもD300の方が上だと感じられる。

 51点のフォーカスポイントと1005分割のRGBセンサー、そしてシーン認識システムを使った3D-トラッキングも搭載しており、一度ピントを合わせた部分が移動してもフォーカスポイントを動かして追いかけ続ける。精度に関しては、静止物ならほぼ文句ないレベルで、暗いシーンでもきっちり追ってくれた。

 暗い体育館で動きの激しいバスケットボールを撮影してみたのだが、動きモノに関してはD200はもちろん、D3ともまた違うクセを持っているように感じられた。

 なお、オートエリアAFモードにすると、シーン認識システムを利用して肌色を検出した場合、人物の位置を重視したピント合わせを行うようになっている。

 3D-トラッキングは、シンプルな背景の中に被写体が存在する場合には有効に働くが、複雑な形だったりファインダー像の周囲に行くに従って精度は落ちてくる。動く被写体を撮影している時には、突然違うところにピントを合わせ始めることも多く、使いこなしにはコツがいりそうだ。

 シーン認識システムは、オートホワイトバランスでも使われている。今までのD200などでは、特に人工光源下で思ったような色にならなかったり、連写中に色がバラつきやすいということもあったが、このあたりの現象がかなり改善されているように感じられた。

 上位機種のD3にはなくてD300にしかない機能が、イメージセンサークリーニングだ。これは、撮像素子の前面にあるローパスフィルターを振動させることで、画像に不要な影を映し出すホコリをふるい落としてしまうもの。他社では続々と採用されていた機能だが、ニコンではD300が初採用となる。手動でクリーニング作業を行えるほか、電源のオン/オフ時にクリーニング動作を行うような設定にもできる。

 画素数は、冒頭でも述べたように1230万画素と、現状では必要にして十分なものだ。D3と同じCMOSセンサーを使っているせいか、またカメラ内の画像処理が「EXPEED(エクスピード)」という共通のコンセプトになっているせいか、D3よりもコントラストが多少強く感じられるものの、よく似た色の傾向のように見受けられる。

日陰にあるキャンディレッドのクルマという、条件としてはかなり意地悪なシーン。決して正確な色が出ているわけではないが、こういった単一色が画面を多く占める場合でも、色がコロコロと変わることは少なくなり、オートホワイトバランスの精度はかなり高くなったと感じる(ISO200、1/125秒、F5.6)

一見すると海外に見えるが、実は神戸市内の建物で、印象的な外観の一部を切り取っている。ここでは、高倍率ズームレンズを使って撮影しているが、単焦点レンズを組み合わせて重量を軽くして、気軽なスナップ撮影に使うのにも向いている(ISO200、1/160秒、F5)

 最低感度はISO200となっており、拡張でISO100まで設定できる。高感度はISO3200までで、拡張によりISO6400相当までとなっている。用途やユーザーそれぞれの許容範囲によるのだが、D200ではISO1000を超えるとノイズが増えてかなり厳しかったのだが(人によってはISO400でも使えないという意見も…)、D300は状況によってはISO1600でも十分使える画質になったと思う。