せんべいやあられなど米菓のかたさ度を表示しようという動きが本格化してきている。その推進役を果たしているのは、菓子卸売のお菓子マーケットプレイス。すでに米菓メーカー数社からの賛同を得て、来年早々には、業界統一基準に基づく「かたさ度」を5段階で表示したせんべいやあられが店頭に並びはじめる運びだ。

「かたさ度1」から「かたさ度5」まで数字が大きいほど、「かたいせんべい」であることを意味する。わかりやすい(画像クリックで拡大) 5段階で米菓のかたさを表示するシールが製品に張られる(画像クリックで拡大)

 この動きにはいくつかの背景がある。まず、「こんにゃく入りゼリー」による相次ぐ窒息事故によって、かたさや弾力など食品の物性(物理的特性)に関心が高まったこと。歯ごたえや口当たり、舌触りなどの物性が味や香りとともにおいしさに影響することは、誰もが経験的に知っている。だが、安全性にも大きくかかわるものとして食品物性がクローズアップされたのである。こんにゃく同様、米菓は見た目だけで物性が判断できない。歯の弱いお年寄りが堅焼きせんべいを食べて、歯を折ってしまうという事故も少なくなかった。

 一方で、カロリーや栄養成分、果物などの糖度、アルコール度数、産地、賞味期限など、購入時点での商品選択の客観的な基準の表示を求める声は、年々強まっていた。そんな中で、今年になって消費期限の改ざんや産地の偽装など食品表示のあり方そのものを揺るがすような事件が発覚した。

お菓子マーケットプレイス・杉田昌之社長

「店頭に並ぶ商品自体が、消費者に対して説明義務を果たすものでなくてはらない」と同社の杉田昌之社長は強調。商品のパッケージ上に、商品情報を十二分に開示する必要があるという。「米菓が消費者に対して説明すべきものは何か?と考えたとき、一番大切なのはかたさに関する情報だろうということになった」(杉田社長)。

 現在、かたさ、やわらかさの物性が表示されている食品は、ベビーフードや介護食品など、ごく一部に限られている。米菓には、かたさを評価する基準も表示されている商品も皆無だった。せんべいやあられは生活に根ざした食品であるため、幼児からお年寄りにまで好まれている。「赤ちゃんでも食べられるか?」「入れ歯でも噛めるか?」というときの参考になる客観的な基準は、まさに求められていたものだ。