ついにプラズマ、液晶の次に来るテレビが登場する――その第3の方式が「有機EL」だ。今回はソニーから2007年12月1日に発売される、世界初の有機ELテレビ「XEL-1」を試す機会を得た。そこで、筆者なりの“有機ELテレビ・ミニシアター生活”を考えてみようと思う。

パネル部分の最薄部はなんと3mmというから驚く。ディスプレイが浮いているように、アームを正面右側にオフセットしている(画像クリックで拡大)

有機ELは薄型テレビのトレンドになるのか?

 まず、有機ELをごくおおざっぱに説明するなら、液晶よりも薄く、プラズマよりも美しい自発光型のディスプレイと言っておこう。そう聞くと、「次のテレビは有機ELで決まり!」早合点する人もいるだろう。確かに悪くない考えだが、そう簡単に現在の薄型テレビのトレンドは有機ELへとシフトしない。

 有機ELの普及拡大には、まだいくつかの課題がある。一つはサイズで、もう一つは価格だ。

 まず大画面化が現時点では難しい。今回発売されるXEL-1の画面サイズは、ワイド11型になっている。これはB5サイズのモバイルパソコンよりも小さい。既に100V型を超える商品が市場に提供されている液晶と比べると、まだまだ大画面への道は険しい。

 実は今回のXEL-1に搭載される有機ELパネルは、2004年に同社が発売したPDA 「クリエ PEG-VZ90」に搭載されていた「3.8型の有機ELパネル」を製造した設備を使用している。そのため、現時点ではワイド11型が限界になっているものと思われる。「それなら40V型クラスの有機ELの登場はいつ?」と聞かれそうだが、次のサイズは「CES 2007」で展示されていたワイド27型あたりが現実的な線だろう。

2007年1月に米国で開催されたCES2007では、今回発売されたワイド11型とワイド27型の有機ELディスプレイが出品されていた。展示は台数のそろった11型に比べ、27型はわずか1台のみ。生産の難しさがうかがえる(画像クリックで拡大)

 次に価格だ。XEL-1の希望小売価格は20万円。現時点の量産の難しさを考えれば、“破格の安さ”だと思う。しかし、いち消費者の観点からすると「なんで今更11型テレビにそんなお金を…」と考えてもおかしくないほど、目玉が飛び出るような価格だ。ソニーによると、「有機ELは生産が軌道に乗れば低価格な製品を作れるが、現時点ではこの価格が精一杯」という。

 XEL-1はいまだにネット通販の予約で見かけることも少なく、当分はソニースタイルやソニーショップでの直販体制になるのかもしれない。