和食道(WASHOKU-DO) The World Japanese Cuisine Show
「和食とは何か」を知り、学び、その真髄を学ぶ場として、2015年1月30日(金)より京都にて開催。詳しくは公式サイトまで

 和食が2013年12月にユネスコの無形文化遺産に登録されたこともあって、国内外でちょっとした和食ブームが起こっている。こうしたなか、「和食とは何か」を知り、学び、その真髄すべてを、世界へ、次世代へ継承することを掲げる、農林水産省の主催イベント「和食道(WASHOKU-DO) The World Japanese Cuisine Show」(以下、和食道/http://washoku-do.jp/)が、来年1月30日から京都で、約1カ月にわたって初開催される。

 日本のポップカルチャーを含む“クールジャパン”の一つとして、和食を海外に広げ、ビジネスマーケットを拡大していこうという国策の下、フランス料理界とコラボレーションし、和食を多角的に考察する場にしていく。和食道の総合プロデューサーには京都の料亭「菊乃井」主人の村田吉弘氏、アンバサダーにフレンチの世界的なシェフであるアラン・デュカス氏が就任した。

 会期中は、外国人料理人が和食の技術を競い合う「和食ワールドチャレンジ2015」、和食の伝統や最先端の発想を学び、体験する「和食シンポジウム」、本場の和食や食材を堪能できる飲食店と連動したイベントなどが開催され、料理関係者、食文化関係者をはじめ一般の人たちにも、和食を知り、学び、探る機会を提供する。

 12月5日に東京・丸の内で開かれた記者会見に登壇した総合プロデューサーの村田吉弘氏は、「無形文化遺産に登録されたということは、和食が“絶滅危惧種”であるということ。文化を保護・継承するシステムを作りなさいということ」と語り、今、和食道を開催し、国内外に情報を発信していく意義と重要性を示した。

「和食道(WASHOKU-DO) The World Japanese Cuisine Show」の記者会見が、12月4日(木)に東京・丸の内で開催。総合プロデューサーの村田吉弘氏(料亭「菊乃井」主人)、アンバサダーのアラン・デュカス氏(フランス料理シェフ)が登壇し、トークセッションでは、和食道開催の背景や和食の魅力などを語った
[画像のクリックで拡大表示]

 また、「世界に約5万6000店の和食レストランがあるが、日本人の料理人が行っているお店は0.9%。それ以外の99.1%の和食レストランは日本人以外が手がけている。“なんちゃって”はけしからんというのではなくて、なんちゃってを容認する時期。僕らはイタリアからスパゲッティ―が入ってきたときに、いきなりたらこを混ぜて、たらこスパゲッティ―を作ったわけです。それぞれの国で、様々な文化が入ってきたときにその文化と融合していくのは当たり前。それらを容認して、それらを育てていきたい」と話した。

村田吉弘(むらた・よしひろ)
1951年生まれ。京都・東山の老舗料亭「菊乃井」長男に生まれる。立命館大学卒業後、名古屋の料亭「か茂免」で3年間修行し、94年に3代目当主に就任。古くからの伝統と真空調理やフレンチ技法などの新しいものを積極的に取り入れ、京料理、日本料理をグローバルな視点でとらえている。最近では、自らが理事長を務めるNPO法人の「日本料理アカデミー」において、フランス料理界と若手日本料理人の交流にも積極的に活動し、後進の指導に力を注いでいる

 和食の魅力について村田氏は、「日本料理というのは非常に多様な食材を使い、ヘルシー。懐石料理だけでいうと、デザートを食べる前までに65品目あって約1000kcal。世界の料理の中でも、驚異的な食材の多さとカロリーの低さです。これは、世界の人たちを健康にするために、非常に役に立つと思います。また、栄養バランスもすぐれている。日本は四季がはっきりしているので、四季の情感が料理の中に盛り込まれているというのも非常に大きな特徴」と解説した。

 また「僕は、アフリカ以外の地域は大体回っていますが、日本の食材のすばらしさは群を抜いている。これほど糖度が高くて甘いりんごやぶどう、桃などはほかの国にはない。お米はすごくおいしいし、和牛は世界に冠たる芸術品の域に達している。世界に輸出されていくべきと思います」。さらに、「今後、世界に和食を広めていくなかで、かつおは非常に重要」とした。

 一方、村田氏とともに和食道の会見に登壇したアンバサダーのアラン・デュカス氏は、和食同様に無形文化遺産に登録されているフランス料理を、戦略的に世界規模に広げることに成功している先達として、「アイデンティティを守っていくことが大切。和食について、すべてを輸出せず、京都に行けば特別なものが食べられるというように、供給量が少ないものは、特殊性として国内に残すべき。ビジョンはグローバルに、表現はローカルに(地元のものを使って表現)というのが重要」とアドバイスした。

アラン・デュカス
フランス南西部出身。1990年、モナコ「ル・ルイ・キャーンズ」の総料理長として、ホテル内のレストランでは史上初めて3ツ星を獲得。現在、パリ、モナコ、ロンドンの3ツ星レストランをはじめ、世界各地に20以上のレストランを運営。料理人の育成に努め、フランス料理文化の振興と継承に尽力する一方、2013年11月には日本の農林水産省と協力し、和食文化の啓蒙イベント「A la rencontre du Japon~日本に出会う~」をパリで開催するなど、和食への造詣も深い
[画像のクリックで拡大表示]

 2015年は、イタリア・ミラノにてミラノ国際博覧会(ミラノ万博)が開催。テーマは、「地球に食料を、生命にエネルギーを(Feeding The Planet, Energy For Life)」だ。和食を世界に紹介する絶好の機会となるだけに、和食道をその橋頭堡としたいところ。

 今年、アメリカの有力旅行雑誌『トラベル アンド レジャー』の読者投票で、世界の人気観光地ランキング1位に初めて選ばれた京都。国内外に発信力がある京都で、国・京都府・京都市、そして料理人が一緒になって和食道を開催することは、大きな意義があると言えそうだ。