握手をするグリー田中良和社長(右)とDeNA守安功社長(左)、間を取り持つのはCESA会長でバンダイナムコゲームス副社長の鵜之澤伸氏

 「グリーとDeNAが足並みをそろえて、ゲーム産業を発展させていく期待が高まった」――。ゲーム業界関係者が、そう口をそろえたのは、2013年1月16日に東京都内で開かれた、ゲーム産業の業界団体であるコンピュータエンターテインメント協会(CESA)の新年賀詞交歓会でのこと。

 会の冒頭、CESA会長でバンダイナムコゲームス副社長の鵜之澤伸氏が挨拶に立ち、家庭用ゲーム市場の堅調な推移とソーシャルゲームの成長について述べたあと、昨年11月に発足したソーシャルゲーム協会(JASGA)を紹介。共同会長を務める、グリーの田中良和社長と、ディー・エヌ・エー(DeNA)の守安功社長を壇上に招き寄せた。

 グリーの田中社長は、「年始から、未成年者に対する利用限度額の上限設定の不備の問題で、ユーザーおよび業界の皆様に多大なご迷惑をお掛けした。CESAおよびJASGAの一員として、皆様の期待に応えられる事業にしていきたい」と陳謝した。

 続いてDeNAの守安社長は、「ユーザーの皆さんに健全にソーシャルゲームを楽しんでもらえるよう、CESAを含めたゲーム業界内で議論をしながら、健全な発展に努めていきたい」と挨拶した。

 2人の挨拶を受けてCESA鵜之澤会長が、「CESAとJASGAを合わせて、ゲーム業界が大きく発展していく。海外市場も含めて、まだまだ成長の可能性があるので、業界全体が一体となって発展に取り組みたい。(その意味を込めて)皆で握手をしよう」と、田中・守安両氏と握手、会場内は大きな拍手に包まれた。

 グリーとDeNAは国内ソーシャルゲームのトップ2であり、熾烈な競争を繰り広げている。ゲームの著作権侵害をめぐって訴訟中の関係でもある。

 昨年11月のJASGA発足時には、共同会長に就任した田中・守安両氏が記者会見に出席することになっていたものの、当日になって、守安氏が諸事情を理由に欠席。2人が顔をそろえることはなかった。

 CESA鵜之澤会長の計らいにより実現した“歴史的握手”。これを起点にゲーム産業がいかなる成長を歩むことになるのか注目したい。

(文/秦 和俊)