ドラマ『33分探偵』(フジテレビ系)やDVD『THE3名様』の脚本・演出で、独特の“ゆる~い笑い”を日本中に振りまいた人気放送作家、福田雄一。そんな福田の初監督映画『大洗にも星はふるなり』(配給日活)の公開が11月に決定し、9月3日には完成記念の記者会見が開かれた。福田の予想以上に報道陣が集まったと見えて、「こんなに取材の人がいると、間違って当たっちゃうんじゃないか」と、会見場を笑いに包んだ。

 『大洗にも星はふるなり』は、ゆるい中にもち密な計算が施された福田演出をひしひしと感じるコメディー。それもクリスマスイブの夜に集まった男5人が憧れのマドンナへの愛を語り尽くす“妄想エンタテインメント”だ。そもそも5人は、夏に同じ海の家で働いていた面々で、全員がそのときのマドンナである江里子から手紙を受け取り、彼女とクリスマスイブが過ごせると、冷たい風が吹き荒れる真冬の海に集まったのだ。都合のいい妄想をかきたて、いかに自分が江里子から愛されているかを力説する5人。果たして江里子の本命は誰なのか?

 この作品の見どころは、なんと言っても登場人物の小気味いいセリフ回し。スクリーンは怪演、奇演の雨あられ。アドリブもかなり含まれているようだ。また、山田孝之が演じる“勘違いナルシスト”が時間の経過とともに壊れていくのは必見。さらに各人の妄想を再現するシーンでは、あまりにもベタな妄想に、むずがゆい笑いがこみ上げてくる。海の家のマスターを演じた佐藤二朗は「バカバカしい作品ですので、笑っていただければ」と、作品の魅力(?)を語った。

会見に登場した監督とキャスト。左から福田雄一監督、安田顕、ムロツヨシ、戸田恵梨香、山田孝之、山本裕典、小柳友、白石隼也、佐藤二朗(画像クリックで拡大)


(文/渡貫幹彦=日経トレンディネット)