味の素の「クノール ふんわりたまごスープ」が2月末の製品リニューアル後、好調を維持している。3~6月の実績で、たまごスープに「ほうれん草とベーコンのスープ」を合わせたシリーズ合計の販売食数が、前年同期実績(約850万食)の約110%を記録。5食入りのパッケージで100円以上も安い同種のプライベートブランドの攻勢で苦戦が続いていたが、原料のたまごに“とれてから3日以内”のものだけを使用するなど、食材へのこだわりが消費者を動かしたようだ。加えて、味の素ではリニューアルを機に「スープ飯」をキーワードに主にネット上で販促活動を実施。こちらも好評で売り上げアップに貢献したという。

内食指向でご飯を炊く頻度は増加
必要なのは余ったご飯の活用法だった!

味の素では、たまごスープの販促にスープ飯を活用する。クックパッドで開催したコンテスト(次ページ参照)では、さまざまスープ飯のレシピが寄せられた(画像クリックで拡大)

 商品そのもののリニューアルが7年ぶりと、商品自体の開発に力を入れた味の素。だが、一抹の不安もあった。それはたまごスープが、食卓に絶対になくてはならないものではないこと。ダシがきいた味は日本人なら嫌いという人はいないほどポピュラーで、ご飯にもパンにも合う。その半面、ポピュラー過ぎて味については消費者に対するアピールにならないのだ。実際、98年をピークに販売食数は減少していた。特に購入世帯率は半減しており、いかに“たまごスープ離れ”が進んでいたかが分かる。

 リニューアルと同時に「商品を使っていただけるような何か新しい提案が必要」(高廣佐奈恵氏 味の素 加工食品部 事業グループ)だった。そこで目を付けたのが「スープ飯」だ。スープ飯自体は誰でも一度は試したことがあるインスタントスープの利用法。スープの中にご飯を入れて、手軽な食事にするものだ。

 ところが、スープにご飯を加えるという食べ方は浸透していても、それを「スープ飯」という名称でひとくくりにする共通認識は世の中にはない。同じくご飯にちょっと手を加えるだけの「たまごかけごはん」や「ねこまんま」が関連調味料やレシピ本が登場するなど、料理の1ジャンルとしてブームとなっているのとは対照的だった。だが、逆に言えばスープ飯を世の中に浸透させれば、たまごスープの利用法として活用できると考えた。

 問題はどの層にどのように訴求していくか。たまごスープは若い世代から年配者まで幅広く購入されているが、メインは40代の主婦だという。主婦層をターゲットにスープ飯を訴求するのが既定路線に思えた。独自調査からも主婦にスープ飯を訴求することを後押しするデータが得られた。家庭でのご飯に関する調査によると、不景気の影響で家でご飯を炊く頻度が増えており、80%の家庭がご飯を余らせているという。さらに約80%の家庭の主婦は、余ったご飯を有効に活用するレシピを知りたがっていた。余ったご飯の活用にスープ飯はもってこいだ。