編集部お薦め

『環境を知るとはどういうことか』

養老 孟司・岸 由二[著] PHP研究所[刊] 840円(2009年9月19日)

『環境を知るとはどういうことか』

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環境問題とひと口に言っても、なんだか得体の知れない巨大なものになってしまっている。もしそうした環境問題や「自然との共生」の本質をつかむなら、地元の流域を歩いてまともな感覚を身につけるしかない。三浦半島の小網代や、都市河川である鶴見川の環境保全活動に尽力し確かな成果を上げてきた生物学者・岸由二と、解剖学者養老孟司による環境論。後半では元国土交通省河川局長の竹村公太郎も参加。行政者の視点と志を述べている。

『「環境主義」は本当に正しいか?』

ヴァーツラフ・クラウス[著] 若田部昌澄[監修] 住友 進[訳] 日経BP社[刊] 1575円(2010年3月1日)

『「環境主義」は本当に正しいか?』

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「地球温暖化」が叫ばれて久しい。気が付けば「エコ」が声高に叫ばれるようになっている。しかし現職チェコ大統領にして経済学者、著名な知識人である著者は地球温暖化論や温暖化対策である京都議定書を否定し、「環境主義者」を徹底的に論破しようとしている。環境主義者、すなわち地球温暖化による危機をあおりたて、経済発展と自由を封殺してまでも無意味な温暖化対策を押し通そうとする人々(たとえばゴア元アメリカ合衆国副大統領など)は本当に正しいのかと問う。自らも考えさせられる1冊。

『グリーン・ニューディール 環境投資は世界経済を救えるか』

寺島実郎・飯田哲也・NHK取材班[著] 日本放送出版協会[刊] 735円(2009年6月10日)

『グリーン・ニューディール 環境投資は世界経済を救えるか』

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NHK報道局が総力を挙げて製作した「環境で不況を吹き飛ばせるか~グリーン・ニューディールの挑戦~」(2009年3月19日放送)を中心に、放送できなかった内容を盛り込んだのが本書だ。環境ビジネスは、膨大な雇用と需要を生み出すのか。日米両国の最新取材から、グリーン・ニューディールの狙いと現状を平易に解説。ここから見えてくるのは「グリーン・ニューディール」の功績というよりは、サブプライム・ショック以降の世界の勢力図かもしれない。

『科学者が読み解く環境問題』

武田邦彦[著] シーエムシー[刊] 1050円(2009年10月2日)

『科学者が読み解く環境問題』

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中部大学総合工学研究所教授(副所長)である著者が、環境にまつわるあらゆる分野について1冊の本にまとめた総ページ346ページの読み応えたっぷりの環境本。地球温暖化、ダイオキシン、リサイクル、バイオエタノールなど、これまで説明しきれなかった環境問題を、図表を多用し、分かりやすく解説している。科学的な、ある意味フラットな視点でこれまで報道されてこなかった環境問題の真相に迫っている。

『ミツバチの不足と日本農業のこれから』

吉田忠晴[著] 飛鳥新社[刊] 750円(2009年12月15日)

『ミツバチの不足と日本農業のこれから』

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メディアでも既に取り上げられている通り、現在、世界的な花粉交配用ミツバチの減少が問題となっている。イチゴ、メロン、サクランボ、ナス…多くの農作物は、ミツバチがその受粉を担っており、ミツバチが不足する故からの影響は大きい。なぜ深刻なミツバチ不足がおきているのか、今後日本農業がとるべき対策とは何かということを、ミツバチ研究の権威が語っている。「ニホンミツバチ個人養蜂の勧め」も収録。

『強い者は生き残れない─環境から考える新しい進化論─』

吉村 仁[著] 新潮社[刊] 1260円(2009年11月25日)

『強い者は生き残れない─環境から考える新しい進化論─』

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新しい進化理論「環境変動説」により、最強より「そこそこ」が進化すると唱える、ちょっとユニークな切り口の本だ。古来よりダーウィンによる「自然選択理論」、つまり自然に一番適応したものが生き延び進化するという考えが基本となってきた。ところが、著者は、約40億年という生物史を振り返ると、生き残っているのは決して強い者ではなかったと唱える。ダーウィン説を発展させた総合学説が主流である現在、これを補うものとして登場した「環境変動説」を勉強するにふさわしい1冊。

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