04:暮らしの今が分かる10冊 〈TSUTAYA BOOK STORE 推奨〉

本のコンシェルジュが選ぶ“この春のお薦め本”
紹介者:TSUTAYA BOOK STORE 有楽町マルイ 日比七絵さん(協力:高鹿真也さん)

担当ジャンル(フロア):一般書
書店員歴:5年
1カ月の読書量(冊):5冊
お気に入りの書籍:中谷彰宏『25歳までにしなければならない59のこと』、細川 馨『リーダーが実行する新ホウレンソウの本』

書店名:TSUTAYA BOOK STORE 有楽町マルイ
住所:東京都 千代田区有楽町2-7-1 有楽町マルイ8F
TEL:03-6738-3838
営業時間:11:00~21:00(日曜・祝日11:00~20:30)
定休日:マルイに準ずる
URL:http://store.tsutaya.co.jp/storelocator/detail/2026.html

世界環境を良くするための活動を紹介する本も

 今年に入ってからということでは、エコをテーマにした書籍自体は、それほど多く出ているわけではありません。もちろん環境にまつわる書籍は今も多く出ていますが、昨年ほど大きな話題を呼んでいるわけではないように思います。

 ただ、このところ中国で大地震が発生したり、アイスランドでは火山の噴火が起きたりと、地球環境における大きな変動があったばかりなので、今後、増えていく可能性はあると思います。

 そうした意味で、今回は特にビジネスからみた環境問題やエコをテーマにした書籍を選んでみましたが、こうした書籍を読んでみると、自然災害の影響を最も受けやすいのは、結局は貧困地帯なのだと思い知らされます。環境問題をどう解決していくかなどの環境問題への直接的な取り込み本だけでなく、今後は社会起業家による世界環境を良くするための試みや活動を紹介する本も、増えていくのではないでしょうか。

書店員お薦め

『ブルー・セーター ──引き裂かれた世界をつなぐ起業家たちの物語』

ジャクリーン・ノヴォグラッツ[著] 北村陽子[訳] 英治出版[刊] 2310円(2010年2月2日)

『ブルー・セーター――引き裂かれた世界をつなぐ起業家たちの物語』

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途上国の貧困問題に身を投じた女性社会起業家が、貧困の現実と人間の真実を巡り執筆した奮闘記。ルワンダで貧困と戦う活動をする中で、現地の女性から不信と憎悪を受け、無視と抵抗に合い、パーティでは毒を盛られることもあったといいます。それでも逃げずに活動を続け、発展途上国の生活改善を目的とした現地の人びとによる起業を、資金面でサポートする機関を設立。貧困を根っこから根絶しようした活動を記録しています。彼女のような活動こそが世界環境を向上させ、ひいては地球を守ることにもつながるのでは。表題の『ブルー・セーター』は、著者がフリーマーケットで販売した青いセーターをアフリカで見かけたという、まさに世界中の人々のつながりを象徴するエピソードからとっている。

『NASAより宇宙に近い町工場』

植松 努[著] ディスカヴァー・トゥエンティワン[刊] 1365円(2009年11月5日)

『NASAより宇宙に近い町工場』

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北海道赤平市という小さな町で小さな工場を営みつつ、宇宙ロケット開発に情熱を注ぐ著者は、本業もロケット開発も成功させている自らの体験を通して「みんなが夢を持ち、工夫をして『よりよく』を求める社会をつくること」を提唱。北海道の田舎で宇宙開発ができるなら、自分にも何かできるんじゃないか…そう思う人が増えることで、世の中が少しよくなるんじゃないかという。地球環境を守ることは無理だ、とあきらめるのではなく、自分にもできることがあるはず、と思わせてくれます。

『<貧乏>のススメ』

齋藤 孝[著] ミシマ社[刊] 1575円(2009年9月22日)

『<貧乏>のススメ』

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とかくこの世の中は、贅沢品が多いのですよね。『声に出して読みたい日本語』などで知られる著者は、32歳のとき、妻1人、子ども2人という家族を抱えながら、定職、定収入なしで所属なし。しかも年収200万円台。その時代に著者が獲得した、「貧乏を力に変える10の技術」を初めて公開したのが本書です。エコを考えるには「無駄をなくす」ことは必然。ならばこうした「貧乏術」を身に付けることも大切と思わせてくれる1冊です。

編集部お薦め

『日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率』

浅川芳裕[著] 講談社[刊] 880円(2010年2月20日)

『日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率』

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テレビでも食料自給率を上げることを促すCMが流れるなど、自給率の低さが問題視されてきた昨今。ところが著者の指摘によれば、自給率が示す数字と一般的な感覚がかけ離れているのは、農水省が意図的に自給率を低く見せて、国民に食に対する危機感を抱かせようとしているからだとする。しかも、それが農水省存続、天下り先の利益の確保のための、自己保身的な考え方によるものだという。農業国としての日本の本当の姿、農水省の真実に迫る1冊。

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